5月18日水曜日、50代のお客様と共にウンターメンチング森のようちえんを訪れました。
なんと、このお客様は私が通うコーラス部の同僚でお世話になっている方でもあり、いつもよりもリラックスして視察プランを遂行できました。
お天気も大変素晴らしく、25度まで気温が上がり、森の中の方が涼しくて気持ちがよいくらいでした。
雨降りという天気予報でしたので、お客様は晴れ女なのかもしれません。
8時30分くらいに到着して、いつもの通り、バウバーゲンや園舎の説明をしました。先生からも「みどりが案内してあげてね」と言われ、プチスタッフのようです。そんな信頼関係が築けていることに感謝。
9時になり朝の会が始まりました。
天気予報士の園児二人が天気と風向きと気温を伝えます。
園長先生が前日から私たちが来ることを子供達にお話してくださっていたようでありがたいです。私のことを覚えてくれている園児もいました。
今日行く場所を決める時間になりました。木曜日なのでカードが2枚です。
一人1個ずつビー玉をもらって投票で決めます。小さな民主主義国家です。
今日は園児が16名。大人が4名。合計20名だったので、嫌な予感がするなあと思ったら、案の定
10対10の引き分けになりました。
先生が子供達に目的地をどうやって決めるのか尋ねます。
一人の子供が、裏向きにしたカードを1枚引いて決めることを提案し、そのアイデアも賛成か反対かを挙手して決めました。
賛成が多かったので、カードを引く人を選出することに。
なんと先生が「今日のゲストに引いてもらいましょう」と言うではありませんか。
お客様が「みどりちゃんが引いていいですよ」とおっしゃったので、私が引くことに。
責任重大だなあと思いながらカードを引くと、「ムアカナンダ広場」という文字が。
女の子は大喜びですが、この場所に行きたくなかったらしい男の子がヘソを曲げました。
「探偵ごっこ」というゲームをしました。先生が探偵役の子供と隠れる子供と呼びに行く子供を選びます。
探偵役の子はバウバーゲンの裏側に行き、みんなから見えない場所にいます。
隠れる子供は地面の上で丸くまって大きな布で身体が覆われます。
準備完了したら、呼び出し係の子供が探偵を呼びに行きます。
探偵が戻ってきて、誰が隠れているのか当てるゲームです。
先生が最初に「4回やるからね」と言っていたので、全員には当たりません。
2回目の子供達は最初に選ばれた子供達が順番にお友達を選んでいきます。
先生は最初の子供たちだけを選べば良いので効率的です。
ただ、同じ子供がいろんな役で何回も当たらないように誘導しなければなりません。
一人の男の子が考えているときに、周りがわーわー言ったので、その子が「そんなにうるさかったら
当てられるものも当てられなくなるから静かにして」と言ったときには、なんと理路整然としている
のだろうかと感心しました。
さすがドイツです。園児もしっかり発言します。
ゲームが終了し、さあみんなで森に出発です。
車が通る生活道路は「アリの道」と呼ばれ、一列に並んで歩きます。
今年の子供達はおとなしい子どもが多く聞き分けが良さそうなので先生も楽そうな感じです。
青空がまぶしいくいら鮮やかです。
「ムアカナンダ広場」に到着しました。
子供数人が登ってもびくともしないような大木があります。
男の子たちはすぐに木登り開始です。
横たわってる木もあります。
水彩画の道具と木工道具を使って子供達が作業を始めました。
ドイツの絵の具は水をつけて色を溶かしながら紙に塗っていきます。
おしゃれな女の子がマニキュアだと言って爪に色を塗っていました。
午前のおやつの時間になりました。みんなで楽しくお食事です。
食べ終わった子からまた木登りをしたり木工をしたり自由遊びを続けます。
木の枝を削って、そこに色を塗っていきます。
見る見るうちに自然素材のオブジェに変わっていく姿が不思議です。
また、私たちがいる場所は、森の中にある普通の道で、一般客が来た時に、「あっ、ここは
一般の人たちもくる場所なんだ」と改めて思う瞬間もあり、こちらも不思議な感覚でした。
いたって普通の森の場所なのに、森のようちえんの先生と子供達と一緒にいるので、そこはやっぱり
森のようちえんのフィールドなのです。
それって、先生や園児や視察ゲストの私たちが勝手にそう思ってるだけなんですけど、やっぱり
その場所は森のようちえんなんですよね〜。
これが「知覚」というものなのかもしれません。
森の中にある木の幹や木の枝が自然素材の遊具に代わり、森の葉っぱの隙間から届く太陽の光、森が与える美味しい空気を全身に浴びます。
なにもかもが子供達の五感に浸透していきます。
自然は私たち人間と共存している。そんな感覚が無意識に毎日感じられることって、なにものにも変えられない極上の時間だと
思うのです。
12時になり園舎に戻る時間になりました。
お片づけをして園舎に出発です。
帰りは女の子たちとおしゃべりしながら帰りました。
園舎に到着しました。ランチ担当の園児がバウバーゲンの中でテーブルセッティングをしています。
その間、私たちは外で自由遊びをしている子供達を観察。
素敵な時間が流れていきます。
「ウッドチップが敷き詰められているから怪我もしないし雨や雪の吸収も良いしナイスアイデア」と
いうお客様の視点に感激しました。
このウッドチップを利用している森のようちえんをいくつか知っているのでやっぱり有効利用なのだなあと再認識。
ランチ時間になり、バウバーゲンの中で食事。シュペッツレでした。デザートは梨。
14時少し過ぎに視察を終了したので、14時半頃にある終わりの会は見られず。
先生が私たちにおっしゃった印象的な言葉です。
「森の中で流れる時間は人生そのもの。楽しい時間もあれば悲しい時間もある。喧嘩したり仲直りしたり、
森はなんでも受け止めてくれます」
穏やかに流れる時間こそが人生において貴重で唯一無二なのかもしれません。
お客様のおかげでそんなことを体感した素敵な一日になりました。ありがとうございました。