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[視察4日目] シュタイナー幼稚園

視察最終日。今回のお客様が2011年に私の視察プランにご参加くださったとき、シュタイナー幼稚園の見学を希望されていたのですが、そのときはまだ可能でなかったため断念した視察をやっと遂行することができました。





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中に入ると、事務員さんが私たちを迎えてくださり、園長先生のところに連れて行ってくださいました。





季節のテーブルも私たちを温かく迎えてくださいます。




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この園には4つのグループが存在します。




① シュテルンターラー(星の銀貨) : 5〜7歳 25名


② ローゼンロート(紅バラ) : 3〜5歳 12名


③ シュネーヴァイスヒェン(雪白) : 3〜5歳 12名


④ フィンガーヒュートヒェン(灰かぶり姫) : 1〜3歳 12名




クラスの名前は、すべてグリム童話からです。




私たちは、紅バラ組を見学することになりました。




朝ごはんの準備はすでに整っていて、先生が軽やかな歌声で「お片づけのうた」を歌い始めます。




子供たちはお片づけを始めました。




椅子が丸く並べられていて、みんなで座ります。




ろうそくを灯す子供の名前を先生が指名し、マッチを使ってろうそくに火をともします。




朝の会の手遊び歌を先生が歌います。スピードをゆっくりにしたり、早くしたり、大きくしたり、小さくしたり、みんな楽しそうです。




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子供の数を数えて、私たちの自己紹介もしました。




「私たちは日本から来たんだよ〜。日本ってどこにあるか知ってる??」と子供たちに尋ねたところ、「わからな〜い」というお返事でした。




先生が園にいる日本人の子供の名前を言って、彼らのお母さんも日本人なんだよ〜って説明しました。




朝の会が終了し、みんなで手をつないで、「お手洗いの歌」をうたいながら、トイレに向かいます。




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他のクラスが、トイレを使っていたので、床の上に円になって座り、小雨からヒョウを伴う雨になり、雷雨に変わり、晴れになる様子をみんなで手遊びしながら、二度ほど繰り返したのち、トイレが空きました。




子供たちが待っている間、退屈しないように、機転を利かした先生の判断に、私は感銘を受けました。



トイレの後は、「ラヴェンダーオイルの歌」をうたいながら、手にオイルを少しつけて、みんなで良い香りに包まれます。




再び、手をつないで、教室に戻ります。




神様と食への恩恵をこめた「いただきます」の呪文をみんなで唱えてから、朝ごはんを食べます。




バターを塗ったパンに、ジャムやハーブ塩をのせ、りんごとキウィを食し、ハーブティーを飲みます。私たちはコーヒーも頂きました。




静かに食事を開始したのですが、途中からガヤガヤ和やかになりました。




「ごちそうさま」の呪文をみんなで言うことになったのですが、遊んでる男の子が二人いて、先生が「あなたたちは邪魔してるよ。もう一度、みんなで静かになりましょう」と言って、「静かになる歌」をうたい、再度「ごちそうさま」の呪文をみんなで言いました。




先生はその男の子たちに、「今度は最初から静かにしてね。そうすれば、一回で済むからね」と説明していました。





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園庭での外遊びの時間になったので、汚れても良いプラスチックのスモッグの上下に着替え、長靴もはいて、外に出ます。





外に出ると、みんな元気いっぱいになり、泥んこ遊びに花が咲きました。




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たくましく遊ぶ姿に、おとなしい子供たちを想像されていたお客様の顔に、ほっこりと安心の笑顔が広がりました。




「シュタイナーのイメージがすっごく変わりました!!」と、言ってくださったのが、とっても印象的でした。




6月24日は聖ヨハネの日。お祭りがあるので、先生がラフィアヤシを使って、子供たち一人ひとりに冠を作っています。




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聖ヨハネの詳細はこちら→https://ja.wikipedia.org/wiki/聖ヨハネの日




園舎の裏庭に行ってみました。ウサギが二匹いました。





若いりんごの木も植えられています。



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園舎の屋根には芝生がありお花が見えます。緑化活動の一環ですね〜。



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外遊びの時間が終了し、お片づけを終え、みんなそれぞれ教室に戻ります。




紅バラ組では、先生が人形劇をしてくださいました。




蝶々が幼虫からサナギになり、最後は美しい蝶々に変身するというものです。




目に優しいシュタイナー人形のイモムシちゃんと蝶々に、心がほっこりしました。




人形劇の後、先生が「ゲストさんにさよなら言いましょう」と言ってくださったので、とっても有り難かったです。




お客様が、同じマリア様の絵が飾られていることに気がつき、園長先生に理由を尋ねてみました。




この絵は、ラファエロの作品で、「システィーナの聖母」と呼ばれるもので、シュタイナー教育においては、非常に重要な絵だということを教わりました。




「でも、シュタイナー教育だけではなく、すべての人間にとって、大切な絵なのです、人は母の愛に抱かれていることを覚えているのです。とても心地よい愛です。この愛を、外から受け止め、自分の中で吸収して、また外に向ける。この一連の作業が大切なのです。私たちは、神から、自然から、愛されている存在なのです」





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システィーナの聖母の詳細はこちら→https://ja.wikipedia.org/wiki/システィーナの聖母





今まで何度も見学している幼稚園なのに、こんな素晴らしい絵が飾られていることを、私はまったく認識していませんでした。




宗教画の一種としか捉えていませんでした。お客様からの質問があって、やっとわかったのです。




人は見てるようで見ていない、意識を持って見ないと見えてこない、ということを実感しました。




私にとって、視察プランは、お客様と一緒に学ぶ旅でもあり、自然から、先生から、子供たちから、学べる環境を心から喜んでいます。
by midorimartin | 2015-06-17 15:56 | シュタイナー教育