本日は快晴なり。30度まで気温が上がりました。
2012年11月に視察園になれるかどうか確認のため訪れたボーゲンハウゼン自然幼稚園に、やっとお客様をお連れすることができました〜。
8時30分から11時30分までの3時間の見学時間でしたので、間に合うように行こうと思い、あせってしまい、バスを一本乗り過ごしてしましました。とほほ、、、。
でも、8時30分に間に合うように到着するために、バウバーゲンの後ろ側に存在する草原を横切ることにしました。
この草原、あとで先生から聞いた話では、羊の牧草地だそうな。年によっては穀物類も植わるそうです。
レゴブロックのような可愛らしいバウバーゲンは健在です。
園長先生と60代手前の男の先生と実習生の三名に出迎えてもらいました。
この園では、朝ごはんが幼稚園から提供されます。水筒だけテーブルの上に置いて、子どもたちは自由遊びをしています。
私たちも男の先生と、年長さんの男の子に誘導してもらって、隣接する森の中の園庭に向かいます(年長さんの男の子の説明上手に感心しました!)。
まず、子どもたちが知らなければいけないこととして、「境界線」があります。子どもたちは、境界線までは先生なしで自由に動くことができます。
例えば、森の中では、木に目印がされています。
その木の向こう側には、蜂の巣箱がありました。
先生のお話では、蜂の伝染病が流行ってしまい、蜂が全滅したので、新しい女王蜂を待っているとのこと。なんとも生々しい、、、。
木登りを始める子どもたち。本当に木登りが上手です。
なんと、森の中の広場でキャンピングカーに住む住人を発見。二人ほど園児がここから通園しているとのこと。ユニークです。
森の中の散策を終え、バウバーゲンに戻ると、ティッピの中で、朝の会が始まりました。
今日は月に一度の「おもちゃの日」。はじまりの歌をみんなで歌いました。
そして、番号と子どもの名前を言いながら、数の勉強。
それから、各自、おもちゃの説明を始めます。
「アナ雪」の絵本を持ってきてる女の子(でも、本当は「魔法使い」の絵本を持ってきたかった)、サッカーグッズを持ってきてる男の子、お気に入りのぬいぐるみを持ってきた男の子や女の子、フクロウのぬいぐるみを持ってくるはずが忘れてしまって、「私が何を持ってきたかったでしょう?」とクイズ形式で話す女の子、おもちゃのレジを持ってきた男の子等、とても楽しい朝の会になりました。
園庭で朝ごはんをみんなで食べる前に、溶岩パウダーで手洗い。
朝ごはんの内容は、パンとチーズとハム。ピーマンとニンジンとキュウリの野菜スティック。
食べ始める際に、「いただきます」と日本語で言うことになりました。
子どもたちも一緒に、「いただきます」と言ってくれました。嬉しくなりました。
先生が、「10から1まで日本語で数を逆に数えて、何分静かにできるかやってみましょう」と、みんなに提案。
この園には、日本人とドイツ人のハーフの園児がいて、彼が数を数えてくれました。
朝の会のあとは、自由遊びの時間。持ってきたおもちゃで遊び始める子ども。お絵描きをする子ども。ロープ遊びをする子ども。サッカー遊びをする子ども。様々です、、、、。
ようちえんの菜園には、イチゴやハーブなど、いろいろあります。
園長先生が工作作業のプロなので、この園にはたくさんの作品があります。
形の良い木の枝を探し、ビールキャップを針金に通した、ガラガラ。
木の鉛筆立て。
この幼稚園では、子ども向けの作業道具が充実していて、例えば、金づちを使うときは、自分のリュックサックを金づちが入っているケースのドアのところに、目印として置きます。
この園の特徴的なルールの一つでもあります。
11時少し前になり、設定保育の時間になりました。
年少さんと年長さんは、ホルンダー(ニワトコの花)を摘み、乾燥させて茶葉にします。
年中さんは、来週みんなで泊りがけで遊びに行くため、宿泊先へのプレゼントとして、貯金箱を作ります。
この貯金箱、顔は鳥。箱には糊付けをしたあと、手でちぎった色とりどりの紙を貼っていきます。
顔は箱の中に入れて、クチバシがコインの入れ口から出る、というなんともユニークな貯金箱です。
私はてっきり、顔は箱の上につけるものと思っていたのですが、子どもたちのアイデアで、そうなったようです。
先生とも話していたのですが、子どもたちの発想って、本当に素晴らしいです。
「私たちは、子どもたちの発見をとても大切にしています。だから、こうしなさいという提案はしません。ルールと境界線は厳しく伝えますが、それ以外は見守り、子どもたちの自由な発想を大切にしています」
例えば、貯金箱を例にして言うと、「水のりは少しだけ取って箱につけましょう」と言うこともできるのですが、そうなると、先生が提案したことになります。そうではなくて、小バケツに手をつけて、水のりを手いっぱいで触って、箱にのりづけをすることで、のりの感覚を楽しみ、だけど、のりが手にいっぱいつくので、手洗いに時間がかかることにもなり、そんな自己体験が必要だということなのです。
先生は言います。「例えば、そのベトベトの手で、他の子どもの顔に触ったりということを始めると、注意をしなければなりませんが、それ以外は、何も言わずに見守ります」
なるほど〜って、思いました。 ルールと境界線を設けますが、それでも、園児なので、繰り返し、そのルールと境界線を伝え続けなければいけないということなんです。一回、言ったから終わりなのではなくて、繰り返し伝えることが、大切なのです。
ハシゴの要らないツリーハウス。
最初から木登りが得意な子はいません。見よう見まねでやってみて、身体を使って体験してみて、子どもたちは木登りを習得していきます。
自由に遊べる空間は、ぶれないルールと境界線があるからこそ。
そんなことを学んだ視察体験になりました。