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【視察3日目】シュタイナー幼稚園☆

最終日の視察3日目。シュタイナー幼稚園を見学しました。




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Sバーンで行ったのですが、まずは空港行きの表示がなかったのであせり、また、駅に到着してからバスが既に行ってしまったことがわかってあせり、タクシーに乗ってなんとか幼稚園に向かうことができました。




幼稚園に到着すると、園長先生が入園希望の保護者との懇談に追われていたので、私たちを対応する時間がないということで、別の先生がお世話してくださることになりました。昨日に引き続き、ドキドキの幕開けです。




でも、勝手知ったる幼稚園です。先生からすぐに、「他のお部屋を見て回りますか?」と尋ねられたのですが、朝の会が始まるまでの登園の様子を観察した方が良いと判断して、そのままそのお部屋にいさせてもらうことになりました。




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お客様が、シュタイナー幼稚園の中に入ってすぐに、目に優しいパステルカラーの壁と天窓から差し込む暖かい太陽の光に圧倒され立ちすくまれている姿を見て、私も一緒に感動してしまいました。




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まずは、3歳〜7歳のクラス(25名)のお部屋を見学させてもらいました。保育ルームとキッチンと小部屋があり、小部屋は作業部屋になっています。そこには、サクランボの種がたくさん入っていて、身体をすっぽり納められる籠が置かれていました。手を籠の中に入れてみると、豆ざわりがとても気持ちが良くて、知覚を刺激されます。前回の視察時に、園児がこの籠に入って、気持ち良さそうに遊んでいたのを思い出しました。




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名前が書かれた石やフェルトのボールもあります。




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園児が作った作品のようです。




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私が大好きな季節のテーブルです。





9時頃、朝の会をするために、先生がお片づけの歌を歌います。子供たちは自由遊びに使っていた素材を片付け始めます。





このクラスにはやんちゃな男の子が何人かいて、お片付けを遊びながらやっていたので、先生がときどき名指しで注意していました。




それが微笑ましくて、子どもらしい子どもを見たことになぜだか安心してしまいました。




お片付けが終わった子どもから先生のところに行って丸く並びます。シュタイナー教育の一つで「ライゲン」を行うためです。





ライゲン(Reigen)とは、子どもたちが「輪」になって、歌や言葉に合わせて、体を動かして遊ぶことを指します。楽器は使わず、先生の歌声や体の動きを模倣して、リズムを取るのです。





保育の一日の流れには呼吸の要素があります。自由遊びの時間は息を吐いている状態。みんなが集まって集中する時間は息を吸っている状態。




子どもはライゲンをすることによって、動きに集中するので、落ち着きをもたらし、次のアクションに移動することが可能になるのだと思います。





朝の会が始まる合図は、小さいベルの音です。先生が一人の子供の耳元で、ベルを軽く鳴らします。ベルの音が止んだ後、ローソクに火を灯します。そして、ローソクの光の暖かさがテーマの歌を歌います。




それから、小鳥のさえずりや自然の恵みがテーマの歌を歌って、みんなで手をつないで、歌を歌いながら、トイレに向かいます。トイレの中でも、子供たちがざわざわしてきたら、歌を歌います。今回はいくつもの春の目覚めがテーマの歌でした。





手をつないで、トイレから出てきて、廊下にあるイスに腰掛けます。先生が歌を歌いながら、ラベンダーオイルを1滴、両手につけていきます。




オイルを手に塗るときも歌を歌い、その後、また手をつないで、部屋に戻り、朝食を食べる事になりました。




25名と多いので、2つのグループに分かれて朝食を取ります。今日は薄い穀物パンとバターとジャムとハーブ塩です。




パンを焼く歌を歌って、いただきますをして、静かに食べなければなりません。食べ終わったら、また手をつないで、外遊びをするために移動します。




うるさくしていた男の子は、静かになるまで、手をつなぐことができませんでした。やり直しをさせられたのです。




外遊びの間、私は他の教室をお客様と一緒に見て回り、説明しました。




3歳〜5歳のクラス(12名)を2クラスのお部屋です。




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違う感じの季節のテーブルがありました。




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本当に人形たちが愛らしくて、何か私に語りかけているようです。




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「3月14日までに、イースターのお庭のための平たい鉢を持ってきてください」というお願いの内容なのですが、背景もパステル画になっていて、シュタイナー感いっぱいのお手紙です、、、。




1歳〜3歳クラス(12名)のお部屋も見学させてもらいました。7時半から15時までの保育で、子供たちは毎日先生が調理したものをお昼ご飯として食べます。先生が「出勤したらまずは料理にとりかかります」とおっしゃっていたのが印象的でした。



外での自由遊びを見学します。子供たちはとっても楽しそうです。先生同士も固まって、楽しげに意見交換をされています。




子供も大人も外遊びのとき、思いっきり、息を吐いているような印象を受けました。





11時30分くらいになり、後片付けをして、みんなゆっくりとお部屋に向かいます。




私たちも教室に戻ると、先生がケジラミの検査をしていました。一人ひとりの子供の頭を見て回るのです。




二人の先生が20人近くの子供の頭をチェックしないといけないので大変です。子供たちが少しザワザワしてきたとき、一人の年長の女の子が、春の歌を突然歌い始めました。すると、他のみんなも一緒に歌い始めたのです。




自然に歌のハーモニーが響き、子供たちが落ち着いている姿に、とっても感動しました。これこそ、シュタイナー教育っていう気がしました。




お昼ご飯の前なので、子供たちはまだまだ集中しなければなりません。先生は絵本の読み聞かせを始めました。最初またザワザワしていたのですが、先生の静かで安心感のある声に、子供たちはまた落ち着きを取り戻していきます。



前半はお話を読むだけだったのですが、後半は先生は子供たちにクイズ形式で質問もしていました。




そういえば、この先生は、朝の会のとき、静かに話をした瞬間があり、そのときは園児も静かになりました。今思うと、子供たちは先生を模倣したということになるのでしょうね。






お部屋の見学をしていたときに、森の幼稚園でモンテッソーリ教具として紹介されたものを発見しました。




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8の字の形をしたもので、無限を意味します。先生はおっしゃいます。「シュタイナーとモンテッソーリというアプローチの仕方が違うだけで、教育理論として目指しているものは似ている部分があるのです」




お客様からの質問を先生にぶつけてみました。




「日誌を書いたりしていますか?」




「いいえ、日誌を書くことはありません。なぜなら、シュタイナー教育は、子供の評価をしないからです。子供の様子を観察して、頭の中にメモするだけです。何か記憶に残ることがあった場合、チーム会議でそのことを話し合います」





「子供への対応ですが、言い方ややり方を変える決め手はなんですか?」





「子供も大人と同じで、良い日もあれば、悪い日もあります。今日はちょっといつもと違うなと感じたときは、それを悪い日と思うのではなくて、心のエネルギーが悪い方向に働いていると思わなければなりません。そして、エネルギーをどうやって良い方向に向ければよいのかを考えます。また、子供は、今日はいつもと違うというサインを送っています。そのサインを先生は察知しなければなりません。そして、この察知方法と、エネルギーの転換方法を、私たちはシュタイナー教育の先生として習得しなければならないことなのです」




なるほど〜と、納得してしまいました。




お客様がおっしゃってました。「シュタイナー幼稚園は暖かい光に包まれて、防音効果が高いので、音も静かで、本当に、光と音の素晴らしさに感動しました」





12時になり、私たちのシュタイナー幼稚園の視察は終了しました。




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今回の3日間の視察を終えて、本当にたくさんのことを学ぶことができました。お客様に感謝です!
by midorimartin | 2014-03-20 06:42 | シュタイナー教育