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森ようツナギスト Japanication ゲッベルみどり

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「おうちえん」のような森の幼稚園がスキ☆

今回のお客様と一緒に見学した2つの幼稚園。





「イザールアウエン自然幼稚園」と「ハラヒング森の幼稚園」は、本当に対照的で、お客様から「みどりさんはどちらの幼稚園がいいですか?」と尋ねられ、なぜだか、即答できませんでした。





でも、実は答えは決まってました。でも、そう答えてもよいのかどうか、そして、なぜその答えなのか、自分で一度じっくり考えてみたいと思ったのです、、、。





今回のお客様は、「先入観なく見学できた。素で見れた。それがよかった」というようなことをおっしゃってくださいました。その言葉がすっごく嬉しかったです。




そして、なぜだか、私もお客様の心とシンクロできたからなのか、原点に立ち返ることができたように思います。




以下、つらつらと今の私の思い、そして、なぜ「イザールアウエン自然幼稚園」の方が好きなのかについて、書き記してみたいと思います、、、。



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日本では、大人になると、素直に感動してはいけないのか、、、って、そう思いました。



なんとまあ、大人が生き難い世の中なのでしょうか。
大人が生き難いということは、子供はもっと生き難いはず。




ドイツの森の幼稚園の素晴らしさと良さを発見して、
日本の幼稚園の素晴らしさと良さを再発見する。




お客様にとっては、今回の視察旅行は、自分探しの旅であったようで、
そして、自分としっかり向き合われ、これからの人生の指針となるものを
今回の視察旅行で見つけられたようです。




私はそのことを打ち明けられたとき、とっても嬉しくて、心が震えて、
これが、もしかしたら、私が行っている視察の本質なのではないかと
思いました。




そして、これからも、お客様のために、誠心誠意、笑顔とユーモアにあふれた
幼稚園の視察のコーディネートを続けたいって再認識した次第です。




今回の視察で両極端の森の幼稚園を見学して、
「大家族のような愛情あふれるスキンシップ」と
「モンテッソーリ幼稚園並みの美しい秩序」が
どちらも幼児保育には必要であるように思いました。




でもどちらも兼ね備えることは無理なのではないかと疑問に思いました。




子供たちの側にいて、子供と積極的に関わり保育することは、「寄り添い保育」であり、常に子供たちを見続けて、絶えずスキンシップ。




美しい秩序の中で、子供の自主性が育つように保育することは、「見守り保育」であり、子供たち同士で遊ばせることを基本としているので、スキンシップは少ない。





「寄り添い保育」は「見守り保育」の中に含まれると思うけど、スキンシップの有無で変わる保育内容のように感じました。





そして、私は絶対に幼稚園の先生にはなれないと実感。極寒の森で毎日の保育は絶対に無理です。
体力が持ちそうにありません。



情熱と体力のどちらもなければ、森の幼稚園の先生にはなれないんじゃないかと
2日間の雪の森の幼稚園を体験して思いました。




そして、幼稚園のカテゴライズ化はしてもよいけど、格付けはする必要はないんじゃないか、そもそも、優良園を格付けしようと思っていたこと自体が無意味だったのではとも思いました。



「森のようちえん」の定義は、「森(自然)の中での保育」。それ以外のことは、フリースタイルになるので、様々なスタイルの園があって当然なのかもしれません。



「おうち園」を実践しているイザールアウエン自然ようちえん。




「モンテッソーリ教育」を実践しているハラヒング森のようちえん。




どちらも、森の幼稚園として、素晴らしいようちえんであり、それぞれの園の先生も情熱を持って子供に接している姿を見て、どちらが良いかなんて、とても言えません。




結局、「どちらをより好きか」という、個人的な好みで園を決めるのだなあ、、、って思いました。私はどちらかと言えば、「おうち園」の方が好きなのです。




「美しい秩序のある保育」をコンセプトとして、徹底的に実践しているハラヒング森の幼稚園の
保育になぜだか少し違和感を感じてしまったのは、もしかしたら、大人が子供に良いと思っている価値観だからかもしれません。




でも、そのコンセプトは、まさにモンテッソーリ教育であり、私が懇意にしている普通の園舎のモンテッソーリ幼稚園で見たモンテッソーリ教育には違和感を感じなかったのになぜなのだろうかと疑問に思いました。




それはきっと、私の中の森のようちえんに対する思いが、必ずしもモンテッソーリ教育に完全に染まることを望んでいないからかもしれません。その自分の思いに対して、なぜなのかと悶々としていたのですが、それは、「おうち園」が基本的に好きということと、モンテッソーリ幼稚園では、リラックスコーナーで先生が子供の横に座って、本の読み聞かせをする場面を見たからかもしれません。




ハラヒング森の幼稚園では、英語の先生が、日本のように、先生の前に子供たちを座らせて、本を子供たちに広げて読み聞かせをしていました。あるいは終わりの会のときに、先生が本の読み聞かせをするらしいのですが、今回はその場面を見る事は叶いませんでした。




恐らく、ポーイング森のようちえんや、シュタイナー幼稚園と同じ手法だと思います(後述参照)。




イザールアウエン自然幼稚園では、午前や午後の自由遊びの時間に、先生が子供を膝に乗せたり、横に座らせたり、先生の背中におんぶしている子供もいたりして、みんなが先生が読む本を覗き込んでいた。




その姿は、まさに家の中であり、これが「おうち園」と「幼稚園」の違いなのかもしれないと思いました。




他の森の幼稚園ではどうだろうか??「本の読み聞かせ」というテーマで絞ってみました。



●ウンターメンチング森の幼稚園: 一番多く視察していますが、先生が本の読み聞かせをしている場面を見た事がない。自由遊び時間に、先生が本の読み聞かせをする姿も見た事がない。

●ファサナリー自然幼稚園: 先生が朝の会で、本を読んで、子供たちは聞き入っていたことがある。そのときは、立ったままだった。自由遊び時間に、先生が本の読み聞かせをする姿は見た事がない。

●ポーイング森の幼稚園: 先生が朝の会で、本を読んで、子供たちは聞き入っていたことがある。そのとき、子供たちは、一つひとつのイスに座っていた。自由遊び時間に、先生が本の読み聞かせをする姿は見た事がない。

●シュタイナー幼稚園: 先生が終わりの会で、本を読んで、子供たちは聞き入っていたことがある。そのとき、子供たちは、一つひとつのイスに座っていた。自由遊び時間に、先生が本の読み聞かせをする姿は見た事がない。

そうなると、イザールアウエン自然幼稚園の本の読み聞かせのスタイルは、他の幼稚園では見たことがないということになる。


でも、私はイザールアウエンの本の読み聞かせのスタイルが大好きで、初めて男の先生が子供たちに本の読み聞かせをしている姿に、心がほんわかとなって、ものすごい感銘を受けました。まるで、家の中でくつろいでいる感じだったからかもしれません。


そんな家族的空間を作ることに成功している園だと言えると思います。



ただ、幼稚園として、そんなスタイルが教育的観点から見て良いのかどうかについては、私は教育者でもなく、保育者でもないので、名言できません。前述しましたが、個人的に、おうちえんスタイルが好きなだけなのです。



それはきっと、私自身が、お客様の心に寄り添って視察同行したいと常々思っていて、お客様の感動が伝わってくる瞬間がたまらなく愛しいからです。




だから、イザールアウエン自然幼稚園の男の先生の保育に1番共感できるのかもしれません。


そして、この共感こそが、何かを好きになる源かもしれません。


原点にかえろう。これからもお客様と一緒に森のようちえんを素の自分で視察して共感しよう。
by midorimartin | 2013-11-29 08:48 | ドイツの森の幼稚園