今日の視察2日目は、シュタイナー幼稚園を訪問しました。中央駅からSバーンとバスに乗って到着。
園舎に入ると、事務員さんが出迎えてくださって、なんと園長先生は病休。代わりの先生が暖かく応対してくださったのですが、なんと他にも4名の先生が同様に病休。全部で5名の先生が今週インフルエンザのためお休みで、園児の保護者にも連絡して子供の人数を減らしたそうです。
通常、4クラスあって、3歳以上が50名、3歳以下が12名いるのですが、今日は3クラスで、3歳以上が約30名、3歳以下が5名でした。
そんな非常事態の中、私たち3名を本当に暖かく受け入れてくださったことに心から感謝しています。
そして、私を信用してくださっているからだと思われますが、部屋のカギも渡されて、「自由にお部屋も見てくださいね〜」と言われました。うわっ、そんなに信用してもらえているなんて、本当に嬉しくて感激しました!!
まずは2歳半から6歳まで16名いる保育室を見学。朝の自由遊びで、人形劇の場面がありました。
朝の会を始める前に、お片づけの歌が歌われて、みんなでお片づけをした後、イスに座って円になって、朝の会が始まりました。
まずは指名された子供がマッチを使ってロウソクに火を灯します。
指遊びをしたり、身体を使ってリトミックをしたり、そして、ゲームを始める合図の眠っている小人さんを起こすことになりました。
一人ひとり子供たちが小人をコチョコチョして起こそうとするのですがなかなか起きなくて、最後の子供がコチョコチョしてやっと目覚めました。
このとき一人だけ男の子がコチョコチョしなかったので、あとで先生に理由を尋ねたところ、たぶん自分が担任の先生ではないので行動に移せなかったのかもしれませんね〜というお返事でした。
でも、この男の子が、あとで私に話しかけてきてくれて、「この前、来てたよね?」って言ってくれて、私のことを覚えてくれてるのが嬉しくて、「6歳になったんだよ」と言われて、「よかったね〜。おめでとう!!」っていう会話をしました。
そして、お昼ご飯の前の終わりの会のときに、「横に座ってもいいよ」って言ってくれて、それがまたとっても嬉しくて、そんな視察時の子供たちとの触れ合いが私にとっては宝物になっていることに気づかされました。
話は元に戻り、朝の会のとき、小人が目覚めて、ゲームが始まりました。そのゲームは、帽子をかぶった小人が一人指名されて、円の真ん中で踊ります。その後、その子供は2人目を指名します。2人→4人→8人→16人という風に順々に円の真ん中で踊る子供の数が増えて行きました。
そして、歌を歌いながら、手をつないで列を作って、洗面所に手を洗いに行きました。手洗い後、歌いながら、ラベンダーオイルを手に塗りました。
また保育室に戻って、イスに腰掛けて、朝食を頂きました。今日はミルク入りミュースリ。私たちはコーヒーも頂戴しました!ありがとうございます!!
朝食の後、外遊びになったので、私はカギを持って、他のお部屋を見て回ることにしました。3歳までの子供の保育室が可愛くて、担当だった前園長先生のことを懐かしく思い出しました。
私は本当に季節のテーブルが大好きです。
自然の葉っぱも大好きです。
こんなシュタイナー独特の絵もとってもステキ☆
外遊びのとき、先生の方から、「何か質問がありませんか?」と尋ねられ、ちょっとした質問タイム。
お客様 「シュタイナーの先生になるには何年かかるのですか?」
先生 「ミュンヘンだと、一般の幼稚園の先生になるのに5年かかり、その後、シュタイナー幼稚園の先生になるのに3年かかります。シュトットガルトだと、一般の幼稚園の先生とシュタイナー幼稚園の先生に同時になれるので6年で終了します。そして、どこでも通用する資格になります」
お客様 「シュタイナーの淡くて暖かい色合いがとても素晴らしいと思いました。先生は服装にも気をつけられていますか?」
先生 「はい。私はプライベートでは黒を着て、メイクもバッチリなのですが、園ではナチュラルメイクで、子供たちが好きな暖色系の服を着るようにしています。一度、黒い服を着てメイクをして幼稚園に行ったとき、子供たちが近寄ってくれなかった経験があります、、、、」
お客様 「朝の会のときに、子供たちの間に先生お二人が座られたのが新鮮でした。食事のときも手をつないだりされているので、子供たちとの一体感が伝わってきたのですが、意図してやってらっしゃることですか?」
先生 「意図してやってます。手をつなぐことにより、おっしゃるとおり、一体感が生まれるからです。みんなで同じ事を一緒にやっている。これが大事なのです」
お客様 「先生の歌声も素晴らしく、笑顔もステキで、これがシュタイナーなんだと思いました」
先生 「ありがとうございます!子供は自分の心を映し出す鏡でもあります。自分の心が穏やかであれば、子供たちも穏やかです。自分が楽しんでやっていれば、子供たちも楽しんでくれます。自分がプライベートのイライラを職場に持ち込めば、子供たちもイライラしてしまいます。
シュタイナー教育では、いかに先生が穏やかでいられるか、そして、子供の心が穏やかでいられる環境を与えることにより、静寂の中で心と身体が育つのです」
また、この先生からは、「あなたたちは気を使いながら、見学してくださっているので、子供たちも素の状態でいられるのでありがたいです。視察者のクオリティによっては、子供たちの心がかき乱されたりするケースもあるので、、、」と言われ、本当に嬉しい褒め言葉でした!
外遊びは11時半くらいで終了し、終わりの会が始まりました。先生は「七匹の子やぎ」の本を読み聞かせてくれました。
私は子供たちとお別れして、楽しい視察の時間は終了しました。月曜日は森の幼稚園に行きます。今からとっても楽しみです♫
最後に、先生の言葉で印象的に思ったことですが、、、
「シュタイナー教育には神様が一人いて、その神様への感謝の気持ちを忘れないように保育しています。つまり、太陽や土のような自然や世界そのものに感謝することです。自分で決められるようになってから、仏教やキリスト教やイスラム教のような他の神様を信じればよいのです」
この言葉を聞いたとき、なるほどなあ〜、シュタイナー教育が宗教と言われる由縁はここにあるのかもしれないって思いました。