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【視察3日目】モンテッソーリ幼稚園

視察3日目はモンテッソーリ幼稚園。一年ぶり、そして、お二人のお客様をお連れするということもあり、少々緊張して趣きました。




前回行ったときは、「とにかく静かに見学してください」と言われたので、私も含めて三人は多いのではないかと心配していたのです、、、、。




このモンテッソーリ幼稚園。実は私の家の近所で、何度も足を運んでいて、勝手知ったる状態になっています。民家を改造して幼稚園にされているので、建物内には細い階段があり、地上3階、地下1階、計4階立ての建物になっています。




一年ぶりに行ってみたのですが、私の顔をみなさん覚えていらっしゃってくださっていたようで、「久しぶりね〜♫」とニコニコ顔で受け入れてくれたので本当にほっとしました。




8時過ぎに園に着いたので、まずは最上階にある先生の休憩室に行き、荷物を置きました。ちょうど事務員さんが来られたのでご挨拶して、園長先生が後から来られることを教えてもらいました。この幼稚園の園長先生は私たちのためにいつもお昼にインタビューの時間を取ってくださるのです。




荷物を置いた後、ちょうど登園時間ということもあり、先生がお忙しそうでしたので、まずは地下にあるお部屋のご案内を私一人で行いました。




地下には運動ルーム、サウナを改造した隠れ家、廊下にはいろんな衣装が着れるファッションルーム、そして木工作業ができる作業室があります。




運動ルームには、マットレスと布団が何組かあったので驚きました。一年前にはなかったからです。あとで先生に尋ねたところ、別の場所にある保育園の子供(3歳以下)がお昼寝をしに来られるとのこと。ただ最初は6名名乗りでたのに今はたったの1名だとか。





靴を履き替える場所が新しくなってました。全部手作りの木製の履き替え場所になっていたので素晴らしいと思いました!



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その後、地上1階に行ってみました。私が好きな季節のテーブルがありました。



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一年前は、モンテッソーリ教具のあるコーナー、絵本を見てリラックスするソファがあるコーナー、イスと机がある工作やお絵描きコーナー、絨毯の上で積み木等が遊べるコーナーの4つに区割りされていたのですが、今回行ったところ、リラックスコーナーと工作コーナーの間に、小さい遊べるコーナーがあり5つに区割りされていました。




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そして、新しい試みとして、それまでは日本のように「年少と年中」、「年中と年長」の横割りの2クラスだったのが、3歳〜7歳ひっくるめた縦割り2クラスに変わっていたのです。





いや〜、これもまた一年の時間の重みを感じました。どこの幼稚園もいろいろ新しいことを試されているんだなあ〜って、、、。




キッチンに入ると、ここでも新しい試みが! 園児が自分が使ったお皿やコップを洗って拭いてから、また机に戻すときに使用するプラスチックのランチョンマットに、お皿とコップの置き場所が記されているのです。



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なるほどなあ〜って思いました。ナッツ類を割るのも、園児が自由にして良いそうです(たいていの子どもは先生に尋ねてからするそうですが、、、)。



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パンを焼くために粉も子供たちが挽きます。



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パンの生地を作るためのレシピも園児の手作りです!!わおっ★



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2階の園児の様子も見に行きました。区割りは1階と同じく5つのコーナーに分かれていました。以前は年少さんのクラスだったので、なんとなく物が1階よりも少ないような感じがしました。




運動ルームは同じ2階にあります。身体が痛くない柔らかいマテリアルで作られている半円や長方形のブロックを並べて乗り物を作っていました。みんな楽しそうです。




再び1階に移動して、キッチンでお手伝いをする子供たちの様子を見た後、園庭で遊ぶ子供たちを見に行きました。




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人形のベビーカーの駐車場もあります。なんとも微笑ましい、、、、。




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隣りの教会の敷地も幼稚園は使っていいそうで、そこに遊べる馬がありました!



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この馬も一年前にはありませんでした。馬に乗って遊んでる子供たちの様子も見れました。本当にドイツ人の子供たちはお馬さんが大好きです。




11時半にお昼を頂くことになり、先生の休憩室で頂きました。そうそう、ずっと探されていたコックさんが入られたということで、1階のキッチンで美味しそうな匂いがしていました。この日の献立は、チキンの丸焼きと温野菜。とっても美味しかったです♫




また、3階にあった、モンテッソーリ教具がごちゃごちゃ置かれていたお部屋がスッキリ片付けられていて、収納ダンスも増えていて、そしてそのお部屋にはソファが置かれてあったので驚きました。足を運ぶたびに、園長先生が「片付けたいのに片付かないのよ、、、、」と嘆かれていたのを思い出します。




今回、ほぼどこもかしこもきれいで秩序のある幼稚園に様変わりしていたので、先生のご苦労が想像できました。あっぱれです!




昼食前に、セラピストの先生が私たちに声をかけてくださり、セラピールームの説明をしてくださいました。



お客様が「セラピールームと保育ルームの違いは何ですか?」と尋ねたところ、先生は「一番の違いはセラピストのこの私です」と威厳を持っておっしゃられたのが印象的でした。




つまり、保育ルームでは数名の園児を一人の先生が見守っていらっしゃいますが、セラピールームではセラピストの先生お一人が一人の園児を見守るわけです。つまり、1対1の関係が築けるということ。




セラピストの先生がおっしゃいます。セラピーをする前に、その園児が必要なものだけをお部屋に出しておいて、子供がまずは手にするものを、先生はじっと座って見つめるそうです。そして、園児の一つひとつの動作を先生が言葉に置き換えて描写していくそうです。もちろん、させっぱなしではなくて、誘導もされます。



たとえば、物を乱暴に扱うことがあれば、「そのもので床を叩いてはいけません。叩くものはこちらです」のような声かけ。




セラピーの名前は、「Beziehung orientierte Therapie」。つまり、「関係性を方向付けるセラピー」そして、このセラピーは「Erwachsene-Kind-Beziehung(大人と子供の関係性)」がベースになっているそうです。




箱庭療法のお部屋も見せてもらいました。先生はおっしゃいます。「子供が自分の心の中にある絵を、箱庭の砂に投影してもらうのです。私は勉強しているので、砂の絵を見るだけで、その子供の心の中がわかります」




マリア・モンテッソーリは障害を持つ子供の保育を重んじているので、このモンテッソーリ幼稚園でも、障害を持つ園児を現在は1クラス4名〜6名受け入れられています(1クラス14〜18名)。ただ、4階立ての園なので、歩行障害を持つ子供は遠慮してもらうそうで、聴覚障害や視覚障害やダウン症などの子供たちは受け入れOKとのこと。





昼食後、園長先生とのお話の時間になりました。まずは、先生にどのような経緯でこの幼稚園をオープンされたのかを尋ねました。




「私には5人子供がいて、そのうち上の3人が聴覚障害を持っています。そして、長男が3歳になったとき、聴覚障害の子供が通える幼稚園を私が作ろうと思い立ちました。今ではその長男と末っ子が他の幼稚園を経営しています。私の孫も今、私のモンテッソーリ幼稚園に通っています」




だから、聴覚障害の子どもの耳に優しい作りになっているのかと思いました。1階の教室で吸音天井ボードを見たからです。そして、シュタイナー幼稚園によくかかっている、淡い布を足れ下げることも見て、お客様の質問で先生に尋ねたところ、この垂れ下がっている布も吸音効果になるのだとか。




先生は続けます。「最初からモンテッソーリ幼稚園を目指していたわけではありません。エクアドールの自由教育の本を昔読んで感化されて開園し、その後、子供が自己実現するためのツールとしてモンテッソーリ教具を取り入れ、モンテッソーリ教育に則った保育に変わっていきました。自己実現、すなわち、思いやりを持つことです」




お客様から、「他のモンテッソーリ幼稚園とは違う強みがあるとすればどこですか?」という質問がありました。




園長先生は答えます。「そうですね、、、。先生と園児の間の尊敬に満ちた関係と、先生チームの結束力。そして、子供への愛情です。うちの一人の先生が保護者から同じを質問をされたことがあります。彼女は「私たちは園児を平等に一人残らず愛しています。それが強みです」と返事しました。私の幼稚園では、子供は変わることなくそのままでいられます。そのままの子供たちを私たちは愛して丸ごと受け入れているからです」



なんと愛情ある表現でしょうか。自信を持って見守り保育をしているからこそ言える言葉ですよね!




次の質問は、経営に関する悩み。お客様は来年、モンテッソーリ幼稚園のオープンも準備されているのです。「障害を持つ子供を受け入れる場合、先生の数が増えます。経営とのバランスが難しいです」



先生は答えます。「私は1998年に開園したとき、15名の園児で4名の障害を持つ子供が含まれていました。本当に想像以上に大変でした。そのため、最初は軽度の障害を持つ子供の受け入れが望ましいと思います。ですが、障害を持つ子供との共存は、大人にも子供にも良い影響を与えます。異質なのではなくて、個性として捕らえることができるからです。つまり、相手への思いやりが育ちます」





この幼稚園では、実習生以外の先生は一人で6〜7名の園児を見るようになっています。原則として、決まった子供を担当します。1クラス3人の先生が就いていて、そのうちの2人の先生がモンテッソーリ教育を受けた先生です。





先生のお話だと、障害を持っている子供の月謝は高めの設定で、ミュンヘン市からの援助金も合わせてセラピストを雇えるとのこと。うまくお金が回っているなあ〜と感心しました。




また、モンテッソーリ幼稚園で働く先生の中には、治療教育を勉強されて資格を持つ方もいらっしゃるそうな。




治療教育とは、障害者療育(=ノーマライゼーション)のことで、昨今叫ばれている「インクルージョン(統合教育)」の担い手の方たちが推進されている教育のことのようです。





今回、お客様がたくさんの質問をしてくださったおかげで、私は新しいことを多く学ぶことができました。本当に感謝しています!



聴覚障害を持つ自分の子供のためにモンテッソーリ幼稚園を開園されたという園長先生の情熱と信念を知り、ますます園長先生が好きになりました。



帰るとき、「あなたが来るとみんな喜ぶからいつでも来てね〜。11月に待ってるね!」と言ってもらい、ホクホクした気持ちで幼稚園を後にしました。



11月にまたこのモンテッソーリ幼稚園を訪れます。今からとても楽しみです♫
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by midorimartin | 2013-10-28 05:04 | モンテッソーリ教育