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【視察1日目】ウンターメンチング森の幼稚園

一年ぶりのドイツの教育機関視察プランを再開しました。視察園の先生方が私を今までと同じように受け入れてくださるのか、また60代のお客様、それもお二人のサポート、そして、月曜日から金曜日までぶっとおしの5日間、、、、。



お客様の心に寄り添って、幼稚園の保育の邪魔にならないように、ちゃんと最後までやり遂げたい!!!




そんな思いが強かったせいか、週末に喉の痛みが出てきて、緊張感と睡眠不足で、初日の朝を迎えました。




お客様を宿泊先のホテルでピックアップして、森の幼稚園に向かったのですが、予定よりも早めに行った方がいいだろうと考え、早歩き、いや小走りに移動することになってしまい、後ろを振り返ったところ、息を切らせているお客様の姿を見て、大反省しました。




なんというスタートでしょうか。喉の痛みと緊張感がますます私を追いつめていきます、、、、。




なんとかバスに乗り込み、目的地である、ウンターメンチング森の幼稚園に8時30分頃に到着。



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バウバーゲンが見えてきて、本当にほっとしました。そして、懐かしさで胸が熱くなりました。




このウンターメンチング森の幼稚園は、3年前から知っている幼稚園で、2つ目に訪れた園でもあります。第二期生が実習した森の幼稚園です。




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10月のテーマの季節のテーブルに思わずうっとり。子供たちは自由遊びをしています。9時になって、朝の会が始まりました。以前、私が知っていた場所ではなくて、新しい3つ目のバウバーゲンが幼稚園の園舎に変わったので、そのすぐ側にロケーションが変わっていました。



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この森の幼稚園は、2005年発足で、2歳〜3際までの子供が通う森のグループと、3歳〜7歳の子供が通う幼稚園に分かれています。以前はバウバーゲンが2つだったのですが、昨年3つ目のバウバーゲンを購入されました。修理にすごく費用がかかったと保護者がぼやかれていたのを思い出します。





私が知っている限りでは、3つもバウバーゲンを所有する森の幼稚園は存在しないので、ぜいたくな森の幼稚園と言えます。1つは幼稚園、1つは森のグループが使用して、最後の1つは倉庫兼リラックスルームになっています。




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幼稚園には二人の先生がいらっしゃるのですが、一人の先生はインフルエンザのために病休だったため、一人の先生と森のグループから実習生が一人、この日の幼稚園についてくださいました。




「今日は月曜日なので、子供たちが作った森のスポットが書かれてあるカードを見て、今週どこに行くのかを決めます」




今日の目的地は、園児の歓声が一段と高かった「Waldwichtelwiesenplatz」。つまり、「森の小人の草原広場」。なんだかドキドキしますよね、、、。




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朝の会はいつものように、お天気予報係の子供たちの案内から始まります。先生が一人の子供を指名して、指名された子供が一緒に組みたい子供を指名します。そうなのです。この園では、先生は何かの役割決めや、リヤカーを引っ張るときなど、まずは子供を一人だけ指名して、あとはその子供の意思決定で二人目の子供を決めさせるのです。





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お天気予報のカードは、前もってベンチにつり下げられています。この日は、「曇り」、「風はなし」、「涼しい」でした。先生が「ドイツでは12度を境にして、「涼しい」と「寒い」に分類されます」と説明してくださいました。




でっかい気温計も備わっていて、お天気予報係の子供が目盛りを読んでました。なかなかです!




朝の会を終了するとき、先生が「茶色い靴を履いている子供は立って、リュックサックを取りに行って、ボラーバーゲン(リヤカーのこと)のところに集まってください」と言いました。





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長靴に、保護者へのお手紙や子供が書いた作品などが入るようになっているみたいです。ユニークですよね〜。





さあ、森に向けて出発です!「アリの道」と呼ばれる生活道では、一列になって静かに歩かなければなりません。




角を曲がって、住宅地に入ると、車の数が一気に少なくなりますので、子供たちはわーっと勢いよく走り出します。





待ちポイントがちゃんと決まっているので、待ちポイントの間は、バラバラになってもよくて、待ちポイントではみんな集合するようになっています。幼稚園のルールですね!





先に出発した森のグループの子供たちがいました。先生が言います。「森のグループの子供たちはみんなよりも小さいので、追い越すときに叩いたり蹴飛ばせたりしてはいけませんよ」





あたりまえの社会のルールですよね! これもこの森の幼稚園のルールです(私も幼稚園児だった娘をしつけるときに、「これは家のルールだから守ってね」と言ってルールの意味を説明していました。懐かしいです、、、、)。





森のすぐ側にある草原に着きました。草が濡れているので、先生は普段は、雨をしのぐために森の木にくくりつけて使うブルーシートを草原の上に敷きます。





まずはトイレの確保。先生の話では、9月に非常に暖かい日があり、スズメバチがいるとは気づかずに、園児にオシッコをさせていて、この日に病休された先生が刺されたそうです。8年間、森の幼稚園の先生をしていて初めてのことだとおっしゃっていました。




そのため、まずは先生がトイレの場所にスズメバチがいないかどうか確認して、トイレの目印になるカードをかけるそうです。





10時半くらいになり、ブルーシートに座って、午前のおやつを食べました。お客様は、ドイツ人の子供たちの食欲に非常に驚かれていました。みんないっぱい食べます!




先生の話だと、家で朝食を食べて来ない園児が多いそうな。みんなお腹がすいているのですね、、、。





午前のおやつの後は、草原広場の側にある森の中で、木工作業。





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みんな器用にノコギリや彫刻刀を使って、木を切ったり彫ったり穴をあけたりしています。





そして、先生がロープを使った運動をしようということになり、まずは大きな木を登るためのロープ。




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そして、ロープを二本結んで、子供たちが手と足を使ってアスレチック。




先生たちは、ちゃんとロープを使う講習を受けて、保育に生かされています。




12時少し過ぎに森を出発。子供たちが足を止めてなにやら集めています。ヒッツキムシのような植物です。でも、ヒッツキムシよりも柔らかくてひっつき具合も少なめ(残念ながら、植物の名称がよくわかりません、、、)。




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女の子が私にいくつかこの実をくれました。家に持って帰って、子供たちからもらった私の宝物の一つになっています。





バウバーゲンに戻って、自由遊び。お昼ご飯までの間、子供たちが小さな絵本を見て、イスに座って静かに待っています。これは私が知らないシステムだったので驚きました。




先生が言います。「みんな文字が読めないので絵だけを見るのですけど、子供たちにとってはとっても楽しみな時間になっています」




お昼はカレー風味のジャガイモと鶏肉とお豆さん。美味しかったのでおかわりしてしまいました、、、。





園庭には一人の子供が思いつきで、板に水彩画を書いたので、その際に、園庭にある木の枝にも色を塗ったそうです。




買った丸いお皿にカラフルなモザイクの石をくっつけて、小鳥さんのお水入れも作ったそうな。




すべて、その一人の子供のアイデアから始まったというのですから、先生の柔軟性のある保育に魅力を感じました。




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お昼ご飯の後は自由遊び。そして、13時50分に「終わりの会」が始まりました。これも一年前にはなかったシステムです。




14時の降園前の10分間、丸太に座って、手遊びをして、お迎えを待ちます。他の森の幼稚園では、終わりの会を見たことがあったので、この園でもとうとう始めたんだ、、、って嬉しくて感慨深かったです。




8年という歴史のあるウンターメンチング森の幼稚園。でも、先生が前向きに、より良い保育になるように、常に新しいシステムを導入する姿に感銘を受けました。




11月にまたこの森の幼稚園をお客様と一緒に訪れます。今からとても楽しみです♫
by midorimartin | 2013-10-28 02:10 | ドイツの森の幼稚園