以下のとおり、バイエルン州の森の幼稚園連盟の総会の際に唯一参加したワークショップ「芸術的な仕事 土の色素と植物の色」のことについて記したいと思います。
講師はエルケ・ヨルダン氏。 ワークショップの参加人数は16名。ヨルダン氏は、以前はモンテッソーリ学校で美術講師をしていたらしい。
<イントロダクション>
「人は実験しなければならない。行動することで経験が育つ」
世の中には一つとして同じ色がない。例えば、ワインの赤、ケシの花の赤、フェラーリの赤など、赤一つとっても違う。そのため、色を描くときは注意深く観察しなければならない。
太古に生まれた最初の色は四つ。黒(石炭から)、赤(土から)、白(チョーク、石灰、鳥のフン、唾から)、黄色(土から)。洞穴の壁画は世界の様々な場所で見つかっているが、色使いと表現方法はなんと同じらしい。
土を色素として使う方法だが、土から石を取り除く。何度も振って、小石をどんどん取り除く。ふーっと吹くと飛びそうになるくらいのサラ砂になるまで振るう。その後、土を水につけてまずは一晩置く。そして完全に乾かせる。
土の色素とBindemittel(結合剤)を混ぜて色を塗る。パレットとして使用する場合は、木製かプラスチック製の器を用いること。紙製は土と合わないので用いないこと。土を用いた色には、ミネラルや動物の死骸の欠片が含まれていることもある。また、土の色素は衣料には使用しないこと。
<色の作り方>
黒: カエデや菩提寺から木炭を使用(Zeichenkohle aus Ahorn, Linde)
小指よりも小さい量をフタ付きのアルミ缶に入れて燃やし、次の日に取り出す。燻製にするような感じ。色としては真っ黒というよりは、焦げ茶。
結合材は重要で、以下のようなものがある。
● ビール
● 卵
● Essigzuckerloesung(酢と砂糖の溶剤)
● Mehlkleister(小麦粉ペースト)
● Gummi Arabikum(ゴムの溶剤)
● Kasein(カゼイン)
● Reisstärke(米のでんぷん)
Loesemittel(溶剤): 水。薄くするため。
ビール: ボールに土の色素を入れる。泡が出ている間に色を塗る。
酢と砂糖の溶剤: コップ半分の酢とスプーン半杯の砂糖にナイフの刃先分の色素を入れる。
小麦後ペースト: 無害なので、幼児に適している材料。大きなもの(例えば、ダンボール、像、スクリーン)を塗るのに最適。
作り方は、スプーン4〜5杯の小麦粉を0.5リットルの冷水と一緒に、小麦粉の玉が無くなるまで混ぜる。鍋に入れてよく混ぜながら沸騰させる。沸騰後、すぐに冷ます。蓋つきのガラス瓶に入れて保管する。小麦粉と水が分離されるまで使える。約一週間ほど持つ。
米のでんぷん: 50グラムの米のでんぷん粉と250ミリリットルの水を用意する。最初に100ミリリットルの冷水に混ぜる。その後、150ミリリットルを沸騰させて残りと混ぜる。
講師の話では、たくさん色をつけすぎると、色落ちするそうだ。なんでも程々が良いということなのかもしれない。
ゴムの溶剤: ゴムと水は1対2の割合。ゴムは一晩置く。何度も混ぜる。ゴムが溶解されたら、色素を混ぜる。保存方法は蓋つきのグラス。
保存を良くするために、以下の方法を用いる。 グリセリンをティースプーン一杯。ハチミツ入り水をティースプーン一杯。また、貝や木のように自然素材の容器に入れて保存することができる。
カゼイン:古い描画方法。
カゼイン スプーン4杯。冷水スプーン6杯。Borax(硼砂) ティースプーン1杯。温水 スプーン5杯。
カゼインの粉を一晩置く。温水のみを混ぜる。よく混ぜる。2時間後に使えるようになるので色素を混ぜる。
Magerquark(低脂肪カード): Borax スプーン1杯と温水 コップ半杯を混ぜる。それを500グラムのMagerquarkに入れる。そして、色素と混ぜる。
Leimoelfirnis: 色を早く乾かす効果がある。少量だけ使う。Kaseinの色素と混ぜる。
卵のテンペラ色素:
一番簡単な方法として、 黄身をボールに入れる。すぐに色塗り。
卵一個を蓋つきのグラスに入れて振る。Leinoelfirnisを卵一個分のカラに入れて混ぜる。沸騰させて冷ました水を卵一個分のカラに入れ混ぜる。
バクテリアが入らないようにするために、沸騰させて冷ました水を絶対に使用すること。
<植物の色>
植物の色は結合剤を使用せずに直接塗れる。
例えば、赤キャベツ(タオルに入れて絞る)。
コケモモ、ラズベリー、イチゴ(タオルに入れて絞る)。
イチゴはそのまま直接キャンバスに押しつぶしてもよい。
ドライフルーツも使える。使い方は軽く沸騰させた水と混ぜる。割合は実験して試すこと。
ムラサキキャベツ(ざく切りして、水を少々。ピューレ状になるように押しつぶし、タオルで絞る。ナトロンを入れたり、酢をいれたりしてみよう。
ほうれん草(水を少々。タオルで絞る)。
玉ねぎの皮(乾燥しているものを使用)。
クルミ(水コップ2杯。沸騰させて、乾燥させる)
クルミからインキを作ることができる(ティースプーン1杯のGummi Arabikumを入れる)
植物の色を塗ってから塩をまぶしてもよい。
私の作品です。
① Quark-Leim-Binderとほうれん草を混ぜて、背景として紙全体に塗る。
②黄身を下部に塗って、アフリカの赤土を振る。
③卵テンパラに土の色素を混ぜてキリンや木を塗る。
④カセイドと土の色素を混ぜて、木の葉っぱを塗る。
⑤ハイビスカスの花びらを木の葉っぱの上に振る。
娘がキリンが好きなので、プレゼントとして創りました。講師や参加者数名から褒められたので気分が良かったです!
そして、娘にも気に入ってもらえたので、思いで深い作品になりました。
バイエルン州の森の幼稚園連盟の総会は年に一回あり、来年もまた6月にあります。今から参加が楽しみです。ただし、次回は会員として参加して、基調講演やワークショップ等を楽しみ、他の森の幼稚園の先生方と情報交換をして仲良くなりたいと思っています!!