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[視察5日目]ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校☆

今週の火曜日、視察のお客様をお連れして、いつも大変お世話になっているイスマニングのルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校(Rudolf Steiner-Schule Freie Waldorfschule)を見学しました。



なんと今回で5度目の訪問になります。先生たちが本当に情熱にあふれ、子供たちに真剣な眼差しを注ぎながら、授業に取り組まれているので、シュタイナー学校の視察は、私にとっても毎回楽しみなのです。







● エポック授業 2年生 8歳から9歳 (8時10分から9時55分)  生徒数は33名。



先生が渋滞に巻き込まれてしまったために、10分ほど遅れて教室に入って来られました。




最初の10分間は、生徒のお父さんらしき人が即興で、英語のレッスンをされました。




そんなフレキシブルなところがとっても良いなあ〜って思いました。





黒板絵は、聖マーティン。「Sankt Martin haelt die Zuegel an sein Ross steht still beim alten Mann」 と書かれています。





今週の日曜日は第一アドベントだったので、まずはアドベントのローソクに灯をともします。




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子供たちが手をあげて、先生が一人指名しました。





そして、この日は、誕生日っ子が二人いたので、太陽役、星役、プレゼントを持つ役、門の役などを、子供たちに手をあげさせて先生が決めていきます。





先生がEdelsteinを選んで机の上に置きました。そして、誕生を祝う歌が始まりました。






太陽と星の役の子供は机の上に立って、誕生日っ子に恵みを与えます。門役の子どもが二人で手を合わせて門を作ります。






ロウソクを持つ誕生日っ子を先頭に4人ずつが門をくぐっていきます。まるで即興劇を見ているかのようでした。




誕生日っ子はロウソクと宝石を自分の机の上に置きます。少しざわざわしたので、先生がグロッケンを鳴らして、子供の気持ちを落ち着かせてから、朝の儀式が始まりました。





歌を歌って、金言を言ってから、朝の挨拶です。私たち、ゲストにも毎回挨拶をしてくださるので、とても有り難いです。






指体操をしたり、手の体操をしたり、また指体操をしたり、リトミックを15分くらい行いました。





今日から算数の勉強です。この朝の会でも、手を叩いて、3のかけ算を勉強しました。例えば、3の位で手拍子をして、18まで数えて、先生が「何回手を叩いた?」と子供たちに聞きます。





答えは、「6回」です。「今から算数の勉強をしますよ〜」と言わずに、歌と歌の間に、算数の問題がいきなりでてきたのでびっくりしました。





次に、五人くらい子供が黒板の前に立って、自分の詩を暗唱しました。先生は、小さいノートを持って確認しています。子供の詩が書かれたノートのようです。所要時間は10分。







その後、先生が「お菓子の家」のお話を始めました。レープクーヘンでできている家で、途中で橋に座っている子供がでてきたり、目隠ししてる子供がでてきたり、その目隠しを外す子供もでてきたりして、先生が「いったい何人の子供がいたでしょうか?」と尋ねます。答えは「5人」だったのですが、これもまた、「今から数のお勉強をするから、よく聞いておいてね」という声かけはまったくありません。突然お話が始まって、算数に発展していくためです。





子供たちは集中して、先生のお話を聞いていなければ、まったくついていけなくなります。





「ここにグミベアがあります。赤が7つ、緑が5つ、黄色が4つ、白が5つあります。子供たちは3人です。一人何個ずつもらえるかな?」など、話はどんどん広がって、足し算やかけ算や割り算の勉強にもつながっていくので、聞いていて本当に興味深かったです。







またざわざわしたので、先生は「静かにしなさい、1・2・3 ..... 」と言って、子供たちの気持ちを集中させます。そして、先の数のお話で勉強した問題の数式を子供たちに尋ねながら、黒板に書いていきます。






3 ・ 6 = 18


21 = 3 ・ 7


21 : 3 = 7





それから、先生は以下の穴空け問題を書きました。



「+」が水色、「−」が赤色。





+ -

21 = 15 + 5 = 12 -



21 = 17 + 6 = 12 -



21 = 13 + 7 = 11 -




22 = 16 + 3 = 11 -




22 = 12 + 1 = 11 -





上の問題は学校でやりました。




そして、宿題の問題も出ました。





+ -

15 = 11 + 7 = 11 -



18 = 11 + 5 = 11 -



16 = 11 + 2 = 11 -




20 = 11 + 6 = 11 -




22 = 11 + 1 = 11 -





9時45分ごろ、ブロートツアイトの時間になったので、終わりの儀式が行われて、誕生日っ子二人のケーキも頂いて、とってもハッピーでした。











● 1時限目 〜 2時限目 手芸(編み物) 5年生 11歳から12歳 10時15分から11時50分   生徒数は13名





初めてお会いする手芸の先生でしたが、いつも時間割のアレンジをしてくださっているHさんのご友人だとかで、手厚い歓迎を受けました。






とっても気さくで配慮ある方でしたので、視察時間も和やかに楽しめました。





子供たちが来る前に教室に入ったので、先生と少し談笑できました。例えば、「あなたは学校の先生なの?幼稚園の先生なの?」と聞かれたので、「いいえ、私は教育にはまったく携わっていなくて、ただのお母さんなんです」と答えると、「お母さんって、十分大変なお仕事じゃない!!」と言われ、お客さんと一緒に三人で笑いあいました。





先生の説明では、シュタイナー学校では、一年生のときに編み物を勉強して、2年生〜4年生までは編み物をせず、5年生でまた編み物が復活するそうです。






まずは編む練習をして、それから靴下に入るそうで、今は編む練習の制作で「リストバンド」を作っていました。






先生は、「編み物は忘れません。何年も編み物していなくても、子供に編み針と毛糸を渡せばすぐに編み方を思い出してくれるからです」と嬉しそうにおっしゃってました。






先生はまずは一人ひとりの子供の手をつないで挨拶を始めます。






そして、「Strickschrift」を黒板に書きました。これは編み物をするときの記号です。日本では、「表」と「裏」ですが、ドイツでは「右」と「左」と言います。





編み物一つとっても、文化の違いが現れるのですね〜。興味深いです。




私たちがいるので、先生は、「ゲストにあなたたちが上手に編み物できるところを見せてやりなさいよ〜」と子供たちにハッパをかけられました。





今、子供たちが練習に使っている編み針は自分たちで竹串の両側をとんがらせて、紙ヤスリで研いで作ったものだそうです。先生は生徒に「ハエが飛んできてツルッとすべるくらい紙ヤスリで研いでね」と言ったそうです。こんな形容をされる先生がユニークで私はとっても気に入りました。





編み物開始となったときに、前髪が長い女の子がいて、「留めピンはないの?」と先生が尋ねると、「ない」という答えだったので、先生は女の子の髪の毛を洗濯バサミで軽く止めました。




静かに編み物作業が始まり、先生が私たちに、「Brave Klasse ! Still wie in Japan ! (とっても行儀がいいでしょう。日本みたいに静かでしょう)」と言ったので笑えました。




一人、イスラエル人の男の子がいて、ドイツ語がまったくわからないそうで、先生は英語あるいはボディランゲージでやりとりしているそうです。





私に「日本でも編み物の授業はあるの?」や「日本にもシュタイナー学校はあるの?」とか、気を使っていろいろ話しかけてくださったのは良いのですが、生徒に向かって、「静かにしなさい」と注意されていたので、申し訳ないと思ってしまいました。






こんなにも気を使って授業中にたくさん話しかけてくださった先生は初めてだったので、とってもとっても感激しました。






ちょっと落ち着きのない男の子がいて、「もう5年生なんだから、自分の振る舞いがどういう影響を与えるのか考えなさい」と先生は言いました。





他のクラスの女の子二人が、竹串を取りにきたとき、男の子がチャチャを入れたので、先生が女の子に部屋の外に出させて、男の子を注意して、もう一度入らせました。




道徳をしっかり教えているところがとっても良いと思いました!






他にふざけていた男の子は黒板前に座らされました。私の娘のクラスでもふざけていた子供は一人だけ他のところに座らされるので、対応が同じだなあ〜って思いました。




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休憩時間中に、私がとっても気になっていた、人形の衣装を見ていると、先生が「8年生〜12年生(14歳〜19歳)は人形劇の制作があるので、、自分で人形の服をデザインして作ります」と説明してくださいました。そして、過去の作品ノートを見せてくださいました。とっても素敵なドレスのデザインもあり、びっくりしました。まるで本物のデザイナーのようです。






シュタイナー学校では、芸術の才能が延ばされるところが素晴らしく、授業の一環として捉えるには大きすぎる可能性も見た気がします。






リストバンドを完成した子供が3人ほどいて、靴下の型紙に色をデザインしていました。






木曜日から靴下の編み物が始まるので、リストバンドができていない残りの生徒は宿題です。







先生いわく、この校舎ができたのは10年前で、その前はコンテナだったそうな。「子供たちはこんなきれいな校舎にいられるから甘えてるのよ〜」とおっしゃっていたのがおもしろかったです。






足踏みミシンがありました。7年生のみ使用するらしく、8年生からは電動ミシンになります。革靴を作るための足踏みミシンもありました。



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生徒は電動ミシンよりも、足踏みミシンの方が好きだとのことです。







授業終了の15分前になって、先生が生徒に片付けさせてから、本読みを始めました。タイトルは、「Die Hoelenkinder」。 みんなしっかり聞いていたのですごいなあ〜って思いました。気持ちを落ち着かせる効果かなって思いました。






● 3時限目 英語 4年生 10歳から11歳 11時55分から12時40分   生徒数は18名





挨拶をしてから、輪唱の歌をみんなが歌ってました。ドイツ語と英語では、文字は同じなのに、発音が違うというものがいくつかあります。





例えば、Winter。文章的には、very warm in Winter.  発音をしっかり勉強するための文章だと思いました。





子供たちがどんどん暗唱していって、月の名前も言っていきます。最初は、1月〜12月で、次は12月〜1月です。先生が子供を指名しながら、1月〜12月、12月〜1月を言わせていきます。なかなか難しいです。








10月の黒板絵が描かれています。キジの絵で、「Brown October brings the pheasant then to gather nuts is pleasant」と書かれています。





11月の話になって、風が吹いて落葉だの、凧揚げだの、じゃがいもの収穫だの、連想するキーワードを子供たちが言っていきます。





黒板の11月の絵は空欄で、文章は「Dull November brings the blast hark ! the leaves are whirling fast.」と書かれています。







子供たちはこの文章とさっきの連想キーワードを使って、11月の絵を紙に自由に書いていきます。






先生はその間、10月の絵を見て回ります。







木をオレンジ色に塗った子供がいて、先生が「オレンジじゃ裸の木に見えないわよ。お母さんがそんな絵だったら喜ばないわよ」と声かけをします。






「いいよ。お母さんはもう知ってるから」とその子は答えました。1月から12月のカレンダーを英語の授業で文章を習って絵も書いて完成させているそうです。





絵の上手な女の子が作った1月〜11月までのカレンダーを見せてもらいました。とっても素敵なパステル画で、優しい色あいで、私もこんなカレンダーが欲しい!!って思ってしまいました。







終わりの歌でおしまいです。しかし、挨拶がしっかりできていないのに、椅子を片付けようとした男の子がいたので、また椅子を元に戻させて、挨拶もして、椅子を片付けさせました。






道徳は美徳!!








● 4時限目 オイリュトミー 5年生 11歳から12歳 12時45分から13時半  生徒数は18名






場所がいつものオイリュトミーホールではなくて、コンサートホールに移動になりました。





オイリュトミースモッグを着ている子供と着ていない子供や、オイリュトミーシューズを履いている子供と履いていない子供(中にはブーツも!)がいてびっくりしました。ブーツの子供はホールでは脱いでやりました。






ホールの中にあった椅子等を先生が子供に指示して秩序よく片付けさせて行きます。みんな文句を言わずにやります。






13時直前に授業が始まって、ピアノに合わせて身体を揺らし、つま先も上げます。




オイリュトミーのABCをやって、言葉を少し表現してから、ライゲンをして、二人ずつ出て交差して行きます。







2人減らして16人にしてから4つのグループを作り、4人ずつ交差しながら身体を動かしていきます。






先生の指示で一人ずつカーテンから出て、みんなで星形を作りました。5つの星を拡大したり縮小したりする動きです。






木曜日に小さい発表会があるらしく、今回はそのゲネプロを見せて頂いたという感じです。






場所がホールだったということもあり、まるでオイリュトミー劇を見ているかのようでした。お客様はものすごく感動されていたのでとてもよかったです。






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おいしいお昼ご飯を食堂で済ませてから、学童保育の場所に移動しました。なぜなら、今回は5時限目の授業視察はなくて、その代わりに学童保育を見させて頂くことになったからです。







食堂のある建物の奥に、5〜8年生の学童があって、日本式の2階では1〜4年生の学童になっています。食事するお部屋と、宿題をするお部屋に分かれています。






学童保育では、14時半までお昼ご飯を食べてリラックスしてから、15時半まで宿題をして、それ以降は毎日放課後サークルがあります。







放課後サークルには、「料理コース」、「弓矢コース」、「学校新聞コース」、「サーカスコース」、「ロッククライミングコース」、「自己防衛と運動コース」に分かれています。





また、週に1回、あるいは週に2回来てもよいらしく、毎日来る子供は決まっていません。そのため、先生は子供の名前が記載されているリストを持って毎日子供の確認をしなければならないそうです。







親からすれば至れれり尽くせりのサービスですよね。だってフレキシブル性に富んでいますので。





私たちが行ったときは、ちょうどお昼ご飯が終わったところでお忙しく、少し待っていたところ、今度は宿題のする時間になり、私の娘も学童に通っていたことがあるので、宿題時間は誰にも邪魔されたくないというルールがあるので、視察を遠慮することにしました。






お客様には申し訳なかったのですが、小学部の建物にあるカフェの椅子に座っておしゃべりしていました。理解のあるお客様でしたのでよかったです。





15時半から同じ建物のオイリュトミーホールで、放課後のサークルでサーカスの練習があったので、それを少し見学しました。







一輪車、フラフープ、玉乗り、ジョングラー、布を使った曲芸があって、練習風景はなかなかおもしろかったです。





エポック授業にいた男の子が私になついてきてくれたのでそれがまた嬉しかったです。





何度も足を運んでいる学校なので、今日も教室や食堂で、私のことを知っている生徒から挨拶をしてもらえました。






お客様はグロッケンの音色にすっごく感動されたので、視察終了後、シュバービングにある木のおもちゃのお店「Kunst und Spiel」に一緒に行きました。そこで、グロッケンとシュタイナーのブロッククレヨンも購入されました。





本当に楽しい視察でした〜。
by midorimartin | 2011-12-02 23:33 | シュタイナー教育