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[視察1日目]ラマースドルフのモンテッソーリ幼稚園☆

今日から始まった視察巡り。お客様はなんと幼稚園教諭歴20年以上の方で、日本では無認可のプロテスタント系の幼稚園に勤められていました。




退職されてお時間があるということで、私のドイツの教育機関視察プランに申し込んでくださいました。とってもありがたいことです。





今まで20代の幼稚園教諭、保育士、学童保育の先生、大学生の日本人女性のお世話をメインでしていましたので、私よりもお姉さんのお客様のサポートをすることになり、とってもわくわくしながら視察の初日を迎えました。





8時少し前にラマースドルフのモンテッソーリ幼稚園に着いたので、私は外観を少し説明しました。





既に買って知ったるという感じで、園舎の中に入っても、自分でわかるところはお客様に説明して回りました。





幼稚園の先生たちともすっかり顔見知りになっているので、「説明よろしくね〜」というノリでもあり、とっても嬉しく思っています。





水曜日の今日は「森の日」です。年長さんたちはミニバスに乗って、近くの森に出かけます。





年長担当の先生が、ブロートツアイトの用意をしています。そして、手作りの食事用の板を見せてくれました。


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なんと、コップが入るように丸い穴が開いていて、この幼稚園のオリジナルだそうです。グッドアイデアですよね!!





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トロッコに荷物を乗せて9時に出発です。森の幼稚園の良さも取り入れてるのだなあ〜って感心しました。





まずは年長さんの教室を見せてもらいました。季節のテーブルがあります。秋の婦人がいます。もうすぐしたら、冬王が登場するそうです。そうです、シュタイナー教育の良さも取り入れられているのです。





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モンテッソーリ幼稚園だけど、森やシュタイナーの良いところも取り入れる。そんな柔軟性があるところが私は気に入ってます。





大きなお部屋は4区分されていて、モンテッソーリコーナー、プレイコーナー、工作コーナー、読書コーナーです。




地下室には年長さん用のプレイルームや作業場があります。年少さんのプレイルームは教室と同じフロアにあります。




キッチンでは、園児一人ひとりの食器が秩序よく整列されています。この「秩序よく整備された環境」というのも、モンテッソーリ教育の理念です。




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パンを切る台もありました。パン屑が下に落ちるようになっていて、床にちらばりません。グッドアイデアですよね!



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ニコラウスの袋が飾られています。子供たちの手作りです。



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子供たちの人気の手作業なので、誰もやらないという子供は今までにいたことがないそうですが、先生に「もしもしたくない子供がいたらどうするのですか?」と尋ねたところ、「私たちは子供の自主性を尊重していますので、やりたくなければやらなくてもいいのです」という答えを頂きました。




子供の自由決定が掟のモンテッソーリ教育なので、例外はありえないということです。その徹底ぶりにとても感銘を受けました。





秋の自然がテーマのようで、落ち葉や木の実もありました。



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森とシュタイナー大好きの私にとっては、本当に三位一体化されているこのモンテッソーリ幼稚園がとっても大好きです。




9時になり、年長さんが出かけたので、年少さんの教室に向かいました。こちらはスタッフが多く、先生3名、実習生2名がいました。




年長さんのところは、先生二人、実習生の女の子一人だったので、年少さんと年長さんの保育には違いがあるのだなあと思いました。





年少さん担当の実習生は男女1名ずついて、男の子は17歳で、保育士専門学校に通っていて、かなり本格的に子供の保育を担当していたのが印象的でした。




彼のプロジェクトとして、森の中でとってきた幹を使ってミニロッジを作るそうです。




園長先生が、私たちにモンテッソーリ教材の説明をしてくださいました。遊びながら数を学ぶことなど大変興味深く、またモンテッソーリ指導者講座では、「金のパールは本当に貴重なもので、この金のパール1つが自分に相当する」ということを学ばれるそうです。





だからこそ、モンテッソーリ教育では、「個人の自由」、つまり「自由選択」や「自由決定」が尊重されるのだと思います。




この幼稚園には、障害を持つ子供が6名いて、その子供たちに合わせてセラピストがついています。





言語療法、箱庭療法、遊び療法、作業療法、、、。セラピールームも見せて頂いて、セラピストの方のお話も伺いました。




お客様が、「健常と思って入園してきた子供が実は障害を持っているかもしれないとわかったとき、どのように対応されていますか?」と尋ねたところ、セラピストは「その子供の両親に率直に伝えます」とおっしゃられました。




ただし、条件があって、保護者との信頼関係が築けたことを確認してから伝えられるそうです。





また、手が先に出てしまう子供の場合、セラピストいわく、子供は2層に分かれていて、言葉と行動が同一のネットワークでつながれていないそうです。そのため、お友達を叩いてしまって、なぜそんなことをしたのかわからないという現象が起きるそうです。大人のように言葉と行動が伴うわけではないので、子供向けセラピーはそんな背景も理解していないといけないということなんだと思いました。





箱庭療法も、子供たちが「したい!」と思ったときに実践されているそうで、セラピストから強制することはないとのこと。なぜなら、したいと思った子供に箱庭療法をすることにより、よりストレートに気持ちが箱庭に反映されるため、治療の効果があるのだとか。




セラピストの深いお話に私は感動しました。




12時少し前に年少さんの昼食が始まって、少し見学した後、園長先生とのセッション。園長先生は日本に関心を示してくださっているのでとってもありがたいです。





お客様が「幼児教育のくくりで考えたときに、幼稚園と小学校のどちらの教育がより重要と思われますか?」と尋ねたとき、園長先生は「幼稚園の幼児教育が大切と言えますが、私はここまでは幼稚園、ここからは小学校と分けられないと思っています。なぜなら、年長さんと小学一年生の境目というのがあやふやだったりするので、もっとオブラートで包んだ移行期にしてもよいのではないかと考えるためです」と回答して頂けました。





私も今は幼児教育に携わっているので、幼稚園だとつまらないのではないかと思う園児を見たり、または逆にもう少し幼稚園にいた方がよかったのではないかと思う小学一年生を見たりすると、境界線が難しいなあって思ったりしていました。





お客様が園長先生とのお話の中から、モンテッソーリ幼稚園とご自身が働かれていた幼稚園での保育の共通性が多いことを見つけられたことに、私は純粋に「素晴らしい!」と思いました。





子供の自主性を重んじて待つというスタイルは、モンテッソーリ幼稚園という冠を掲げていなくてもできるということが裏付けられたからです。





そして、「今までやって来た保育が間違っていなかったことが確認できました」とおっしゃられたのを聞いて、「あ〜、本当によかったなあ〜」とじーんとしてしまいました。





お客さんの感動に共感できるこのお仕事は本当に私にとって天職です。





12時半に園長先生とのセッションが終了し、昼食を頂き、年長さんの自由遊びを見学し、13時45分に始まった終わりの会も見学しました。





先生が園児が持ってきたぬいぐるみを使って即興でストーリーを作ったことが素晴らしかったです。





15時に今日の視察は終了し、モンテッソーリ幼稚園とお別れしました。




今度はいつ来れるのかなあ〜って、ちょっとしみじみ思ってしまいました。
by midorimartin | 2011-11-24 04:15 | モンテッソーリ教育