日本の超巨大地震のニュースを週末に見ていたせいか、なんだかまだ現実の世界にいないような感じで、お客様を迎えに中央駅のユースホステルに向かいました。
Sバーンにトラブルがが発生したという理由で、中央駅から東駅までストップしていて、今日のUバーンは混んでいました。
本日の視察先は、ミュンヘン動物園前のイザール側沿いにあるイザールアウエン自然幼稚園。
2月16日に初めて訪問したときの記事はこちらです。→
http://miamama.exblog.jp/15515708/
8時30分頃、動物園駅に到着し、徒歩15分くらいかけていざ目的地へ。
8時45分頃、幼稚園に着くと、既に子ども達が何人かいて木登りをしていました。元気いっぱいです!
2歳児クラスの担任の先生から、コンテナの園舎の中を見せて頂きました。2歳3ヶ月から3歳までの子どもたちのクラスなので、奥にマットレスが2つ敷いてあって、寝っ転がって絵本の読み聞かせが行われたり、ちょっと休憩したりする場所として使われているようです。
週に3回(月、水、木)の午前中のみ(13時まで)のクラスで、現在6名の子どもが預けられています。
幼稚園の園舎です。手作りのコンテナ園舎なのでとってもきれいで居心地が良いです。
暖房が行き届いていて、窓も大きく3つあるので換気もできます。そして、木の棚も美しく、住めそうな感じです。
子どもたちは外で、9時30分くらいまで自由遊びをしていて、朝の会が始まりました。今日はお客様と私がいたので、子どもたちは一人ひとり自己紹介をしてくれました。名前と年齢を言ってくれたのですが、先生の配慮で手もつけて年齢を言ってくれたのでわかりやすかったです。
9時50分頃、Brotzeit(二回目の朝食)を食べました。この幼稚園では、2歳児と幼稚園児が一日に一回一緒に食事します。
Brotzeitも、森の中でするときもあれば、今日みたいに朝の会のあとすぐにする場合もあるそうです。
三人の子どもがグループから離れて二回目の朝食を食べていたので、不思議に思って先生に尋ねてみると、「この幼稚園では、子どもの意志をとても尊重しています。例えば、一人の男の子が別の場所で食べたいと言ったので、他の子ども二人を選ばせて、三人で食べることを許しました。その際には必ず、グループ行動のルールを言わせてちゃんとわかっているのか確認しています」と説明してくれたので驚きました。
2歳児クラスは、先生とチービーと一緒に広場に遠足に行って、私たちは森の中の草原に移動しました。男の先生と女の先生とチービーの三人です。幼稚園の子どもたちは今日は全員で13名いました。
小川にかかってる橋を渡りました。すると、動物園の駐車場に園舎を持つ、フラウヒャー自然幼稚園の子どもたちと先生たちに出会いました。今週の金曜日に日本人実習生を連れて面接に行く幼稚園なので、ご挨拶して「また金曜日に!」と言って別れました。フラウヒャーとイザールアウエンは、ほとんど毎日のように交流があるみたいで、のどかで良いなあ~って思いました!
日本の里山に近い雑木林をずんずん進んで行って、目的地の草原に着きました。
木登りする子ども。木工作業をする子ども。泥ダンゴを作る子ども。
遊びで火を炊こうとしている子ども。
様々な自由遊びがあって、グループも5つに分かれたり、2つに分かれたり、、、、。
変化がとても興味深かったです。
男の先生が絵本の読み聞かせをしています。とっても上手なので私もぐいぐいお話の中に引き込まれてしまいます。
男の先生は珍しいので尋ねてみると、「僕が卒業した専門学校(Fachakademie)では、1クラス20名くらいいて、4クラスのうち男性は3名だった。ドイツでも男の幼稚園の先生は珍しいと思います。僕にとっては幼稚園の先生の仕事は天職なので、なぜ男がもっと幼稚園の先生をしないのか不思議です」と答えました。
彼はカリスマがあり、心遣いがあり、気配りが本当にできる人なので、同僚の先生、保護者、子ども達から大人気です♪
突然、男の子と女の子の結婚式に招待されました。ちゃんと牧師役の子どももいて、二人の結婚式をお祝いしました。とってもかわいかったです。
12時10分頃、園舎に戻る時間になりました。三人の子どもが先に園舎に向けて出発しました。
冒頭にあった「三人ルール」を思い出し、先生に尋ねてみると、「子ども達が自主性を養うために、園舎に先に帰らせたり、目的地に先に行かせたりしています。三人で行動するには意味があって、一人に何かあったときにもう一人が側について、もう一人が大人を呼びに行くことができるためです。そして、三人だからこそ、より集中力や責任感が高まり、社会生活に順応しやすくなるというのもあります」と答えました。
私は思わず、「そのことは保護者は全員理解しているのですか?心配性の保護者はいないのですか?」と尋ねたところ、「はい、保護者は全員理解していますし、私たちは子どもをもっと信用しなければならないのです。三人ルールが子どもの自主性につながるのですから」という説明でした。
また、この三人ルールは、年長だからOKというわけではなくて、年齢に関係なく、先生が子どもの資質を見て判断しているそうです。先生はそれだけ子ども一人ひとりのことがわかっているということですよね。
12時30分頃、園舎に戻ってきて、昼食を外で取りました。この幼稚園では、保護者が順番に食事を手作りして運ぶことになっていて、この日のメニュは野菜スープ、野菜スティック、チーズケーキでした。とってもおいしかったです。
普段は先生が配膳するそうですが、今日は子ども達がまた三名で配膳してくれました。
また三人ルールです。この三人ルールはこの幼稚園の大きな特色なのではないかと思いました。
日本の森の幼稚園で尋ねられた質問を一つぶつけてみました。
「森の幼稚園にまったく関わっていない人たちから見たドイツの森の幼稚園の印象は?」
保護者の何人かが口をそろえて言ったのは、「冬も外にいないといけないなんてかわいそうな子ども達ね~ってよく言われますね。あと、外でトイレすることがびっくりされますね」というお返事。
そういえば私も初めてガウティングの森の幼稚園を訪れたとき、雪深い森の中でスキーウェアを着て外にいる子ども達にはなんとも思わなかったのですが、外でトイレすることがすごいなあ・・・って印象を持ちました。
最後に春の訪れを感じさせるクロッカスの写真です。
お客様がおっしゃったのが印象的でした。ウンターメンチングの森の幼稚園はどちらかというと見守り型、イザールアウエン自然幼稚園は一緒に活動型。
きっと、男の先生がいるかいないかで幼稚園の保育が違ったものになるのではないかと思いました。
イザールアウエンの幼稚園のように、もっと男の幼稚園の先生が生まれてもいいのではないかと思いました。