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横浜シュタイナー学園の公開講座に参加して

2月20日(日)、NPO法人 横浜シュタイナー学園の公開講座を受講しました。




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そもそも、なぜ2月19日から2月24日までの出張期間にしたかと言いますと、横浜シュタイナー学園の公開講座の情報をサイトで発見したからなのです。





昨年、11月にドイツ教育機関視察ツアーを行った際に、初めてミュンヘンのシュタイナー学校を訪問し、シュタイナー教育に触れました。






シュタイナー教育を理解するのには時間がかかるということもありますが、ドイツ語から入ったのでやはり日本語でシュタイナー教育のことを学びたいという衝動に駆られ、昨年11月に横浜シュタイナー学園にアクセスして公開講座の申し込みをしたのでした。






講師は松田仁氏。ドイツ・シュツットガルト・シュタイナー学校教員養成ゼミナール卒業。
ハンブルク・オイリュトミー学校で研修の後、1984年帰国。
2006年、スイス・シュタイナー養護学校にて実習。現在、鎌倉、大磯、逗子で奨学生のた
めのシュタイナー教育を実践。






横浜シュタイナー学園は、1年生から9年生までのカリキュラムを実践する学校で、今回の講座のテーマは、「第2七年期(学齢期に入ってから)の子どもに関わる大人たちの学びについて」というものでした。





松田氏はまず、教育の基本からお話くださいました。「何をしたら、子供の本当の助けになるのわかること。子供の成長発達の法則を知ること。幼児期の子供たちは模倣する存在。模倣を通じて学んでいく。そのため、第2七年期、つまり7歳から14歳までの子供には「権威」の対象が必要である」






シュタイナー教育の人間の見方は・・・




①肉体・物質体(0歳から7歳まで) → 死ぬと崩壊して土に帰るもの。





②生命体(7歳から14歳まで) → 生きている間に腐食しないように守ってる力がある。でも、目に見ることができない。




③アストラル体(14歳から21歳まで) → 意識があるから目が覚める。





④自我(21歳から) → 消化する主体。個性であり自分史を作り上げる力。




植物になくて、動物や人間にあるものは、「意識」と「感情」。①~④は胎児の段階で持っている。




7歳になって乳歯から永久歯に変えた力はどこに行くのか? → 子供の内面に働いて、記憶力や表象力になる。





この変形する力(記憶力)、つまり変容することを「生命体が生まれる」と言う。





変形させる力と記憶力は同じもの。変形させる力は7歳までは肉体にあり、記憶力は7歳から内面にある。そのため、7歳までに記憶を強要してはいけない。本来なら肉体に使われる力が損なわれるため。シュタイナーは早期教育をしない。




4歳半の子供はおおよその形が模写できない。なぜなら、目をそらすと子供の意識から抜け落ちるため。イメージが記憶できない。





7歳の子供は過去の体験を自分の意のままにイメージできるので、小学校に入学して勉強できるようになる。





小学校から思春期まで、家庭の中に「会話の文化」を養うこと。大人たちの興味深い会話には、子供も参加させること。例えば、無口なお父さんはしゃべる努力をして、おしゃべりなお母さんはあまりしゃべらない努力をしなければならない。そして、「会話の文化」から、子供の中の暴力性や攻撃性を抑えることができる。





幼児は周りの変化が体のすみずみまで入り込んでいく。心配性なお母さんや短期なお父さんは気をつけなければならない。幼児はお母さんの心配事までわからない。お母さんのまなざし、しぐさ、言葉のはしばしに心配事が刻まれているので、母親の体を模倣して心配性の体つきになる。






良い印象であろうが、悪い印象であろうが、感覚を通して幼児の体は形成されていく。






体や臓器は7歳までに大人の形に形成される。その後、成長するだけ。歯のみ新しく形成される。そのため、7歳までの体を形成する力を教育は妨げてはいけない。







松田氏は、十二感覚論の話もしてくださいました。シュタイナーは、人間には十二の感覚 - 触覚、嗅覚、味覚、視覚、聴覚、熱感覚、生命感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚、均衡(平衡)感覚、運動感覚が備えられていると考えました。






幼児期に大切なのは「意思感覚」で、平衡感覚、運動感覚、生命感覚、触覚になり、7歳から14歳までに大切なのは、「社会感覚」で、自我感覚、思考感覚、言語感覚、聴覚になります。






「平衡感覚」は直立の姿勢で立つことができることであり、「運動感覚」は自分の運動の知覚、「生命感覚」は体調の良し悪し(調和的な雰囲気、規則正しい食事時間、眠り時間)、「触覚」は触れて学ぶ(自我感覚が隠れている)。なぜなら、触覚(スキンシップ)が自我感覚につながるため。






安全で守られていることと自分は自由であることと同じで、「自分は一人なんだ」と知覚することは自我教育にとって大切であり、一人で何かしようと思ったときに大人の手があればいい。大人は「あれ触ってはだめ、これ触ってはだめ」と、子供の自由の体験を制限してはいけない。





「自我感覚」は他社の自我を知覚することであり、「思考感覚」は他社の言葉を知覚すること。




生命感覚が思考感覚につながり、運動感覚は言語感覚につながる。心の自由と結びついている。



平衡感覚は聴覚につながる。心の静けさ、内面の静けさ、他人の言うことが聞ける。




子供が知覚できるように、幼児教育者は、正しいことと良いことを体現しなければならない。




シュタイナーによると、5歳まではレゴブロックで遊ばせてはいけないそうだ。積み木であれば倒れるので平衡感覚が養えるため問題ないらしい。






8歳児には、具体的なイメージが必要であり、それが「心の母乳」になる。「先生、次早く聞きたい」ではなくて、「先生、次早く見たい」となる。





7歳ごろ、肉体から心へと浮上する力は、「フォルメン」に移行。体を変形した力を子供が使える科目がなかったため、シュタイナーは「フォルメン線描」を編み出さなければならなかった。つまり、直線と曲線のバリエーションを子供が体験すること。






先生はどんな感情を持って教育すればいいのか? → 感動、感激、熱中を持って音楽や言葉を与えること。先生の畏敬の気持ちは子供に影響を与える。





9歳~10歳は、模倣の力が失われていく。失われると、自分は世界と一つではないと感じるため、自分は一人ということになり、不安として現れるようになる。すなわち、「9歳の危機」。






幼児期は模倣の力が学ぶ力だったのが(模倣とは周りと一体化させること)、自分の意志を母親に伝えるようになり、学び方は模倣ではなくて権威になる。





大人は子供の質問一つひとつに具体的に答えてあげること。何が正しいのか、何が正しくないのか、子供は大人から聞きたい。




自分と世界を分ける。 → 分けるからわかる。





農業が大切。一人ひとりの自我が成長していく。大人が権威として生きる。友だち親子ではだめ。





頭だけでなく心で導入する。心が動くものは子供はわかる。自分を訂正できるのが本当の権威。





12歳から14歳になると、子供はどんどん意見を言って、大人から離れたいという内的欲求を持つ。




感情と意識が分離されるとすぐに手足の行動につながらない。 → 意思が自立していく。 → 大人になる。





手に働く意志は繊細。 → 内的プロセスを踏むことができる。





感情と意思が分離すれば、手に働く意志が使えるようになる。






18歳以降、自分で判断する力を養わせること。君達は君達に見えるように世界を見なさい。私たちの人間性を信じること。




シュタイナーは、体や心に障害をある子供に対しても、七年期のプロセスで接する。なぜなら、すべての心の障害は、肉体から来ているため。




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メモったノートから箇条書きにしてしまいましたので、少々読み難い部分があったかもしれません。すいません・・・。





また、講座内容についてでですが、あくまでも私の記事として公表しておりまして、横浜シュタイナー学園が記事内容を監修されたわけではありません。





私が興味深いと思ったのは、家庭の中で「会話の文化」が大切というもの。私と娘はよくしゃべります。夫は無口ですが、我が家では少しずつ「会話の文化」が成り立ってきています。私が話す量を少なくすれば更に良くなるのではないかと思いました(笑。





「良い印象であろうが、悪い印象であろうが、感覚を通して幼児の体は形成されていく」という部分にはハッとしました。娘のクラスの子供たちへの理解につながると思ったからです。






「触覚が自我感覚につながる」という部分も印象的でした。私はとにかく娘とよくスキンシップします。いまだに朝目覚めた娘を抱っこします。無意識にやっていた行動ですが、他人に対して思いやりが持てる子供に育っている娘を見て、自我感覚につながっているかもしれないと思いました。





そして、8歳の娘に対して、私は母親として権威される存在でなければならないこともわかりました。





手に働く意志が大切であることもわかり、手仕事の重要性も感じています。






シュタイナー教育は、ちゃんと人間の成長に合わせた教育方法であり、子育てや対人関係へのヒントにもなると思いました。
by midorimartin | 2011-02-28 20:28 | シュタイナー教育