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【ドイツ教育関連視察ツアー】小学校と中学校向け環境教育授業「エネルギー学校 ミュンヘン」

初日の後半は、Green Cityを訪れて、ドイツの小学校と中学校向け環境教育授業「エネルギー学校ミュンヘン(Energieschule Muenchen)」を視察してきました。






ワークショップの総合タイトルは「太陽 - エネルギーがいっぱい」。





Green Cityの担当者から頂いたパンフレットの和訳はこちら。




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エネルギー学校 ミュンヘン
小学校と基幹学校向けプロジェクト

<先生方へ>
グリーンシティは、「エネルギー学校 ミュンヘン」をミュンヘンの小学校と基幹学校向けに見て触れるワークショップとして提供しています。

核となるテーマは、学生の日常に関連した「エネルギー」。

このプロジェクトは、ミュンヘン市内の学校に無料で提供されています。


<学生が環境のヒーローになる>
個々にエネルギーを抑えることは、大きな環境保護につながります。私たちは小学生や中学生たちにそのことを伝えたいのです。私たちのプロジェクト「太陽 - エネルギーがいっぱい」は、小学校と基幹学校に合わせた内容になっています。

日常でどのようにすればエネルギーを抑えることができるのかについて伝授し、テーマ「リサイクルできるエネルギー」にも焦点を当てます。

プロジェクト「将来のためのエネルギー」では、基幹学校の最後の2学年向けに提供され、この分野未来の職業へのガイダンスにもなっています。


<小学校と基幹学校向けプロジェクト>
小学校と基幹学校の2年生から6年生は、テーマ「電気の獲得」、「エネルギーの抑制」、「環境保護」について学びます。
3日から5日にかけて、学校ごとに10クラスまでプロジェクト「太陽 - エネルギーがいっぱい」に参加できます。

<グリーンシティは3つのワークショップを提供しています>
・エネルギー研究家(Energieforscher) - どのくらいの電気がいるの?
・エネルギーの車輪(Energierad) - 身体を使って電気を起こす
・太陽熱を使って調理(Solarkocher) - 太陽エネルギーで料理

ワークショップと平行して、先生たちはプロジェクトに関連した授業を行うことができます。そのために、グリーンシティは、資料や実験やソーラーモジュール等の授業材料を提供します。

<基幹学校のプロジェクト>
8年生と9年生向けのプロジェクトです。テーマは「電気の獲得」、「エネルギーの抑制」、「リサイクルできるエネルギー」です。そして、この分野の未来の職業チャンスについても情報提供します。
学校ごとに3日間のプロジェクト「将来のためのエネルギー」に参加できます。

<グリーンシティは他のワークショップも提供しています>
・ エネルギー研究家(Energieforscher) - 電気装置の電流測定
・ エネルギー探偵(Energiedetektiv) - 学校の中でエネルギー漏れの探知
・ ソーラーモジュール(Solarmodule) - ソーラーセル工場

グリーンシティは学生に、テーマ「リサイクルできるエネルギー」の分野で視察も提供しています。学生は未来の職業を知ることができます。プレゼンが行われ、働いている仲間が紹介されます。

www.greencity.de
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私たちは実際に小学校で行われる環境授業のやり方をGreen Cityの事務所で見せてもらいました。




小学校の中に3つ拠点を作り、「エネルギー研究家」、「エネルギーの車輪」、「太陽熱を使って調理」のワークショップが行われます。


【ドイツ教育関連視察ツアー】小学校と中学校向け環境教育授業「エネルギー学校 ミュンヘン」_f0037258_13252728.jpg






まずは「ガイダンス」から。小学生がわかりやすいように、エネルギーの源にはどのようなものがあるのかが絵を使って説明されます。



そして、それぞれのワークショップに続いていきます。



①「エネルギー研究家」

 個々の電化製品のワット数を調べます。

 例えば、ラジオは11ワット。スタンドバイモードにすると9ワット。つまり、完全に電源をオフ
 にしない限り、電力は供給されていることになります。

 普通のランプと省エネランプの違いについても学びました。普通のランプは60ワットに対し、
 省エネランプは75ワット。普通のランプに比べると、明るくて寿命も長く発熱も少ない
 省エネランプがお勧め。

 子供たちはこのことにより、スタンバイモードに気をつけることを学びます。
 家でお父さんやお母さんと一緒に電化製品を調べ、その際にスタンバイモードになっている
 ものを調べて、赤丸のシールを貼って注意させることも活動の一つ。


②「エネルギーの車輪」

 ジムにあるような自転車をこぐマシンに乗り、電気を起こします。ランプを灯すのは
 比較的簡単なのに対し、湯沸かし器をわかすのには相当な力を必要とします。

 湯沸かし器には水温の測定器を差込み100度になるのかどうかを確認するのですが、
 大人の男性3名が1分間ずつ交代にこぎ、30分かけてやっと沸騰させることができた
 そうです。

 子供たちはこのことにより、電力の消費の違いを学びます。

 私たちも実際に自転車をこいでみたのですが、湯沸かし器につながっていたときは体力を
 消耗しました。


③「太陽熱を使って調理」

 サテライトアンテナのようなものの真ん中にお鍋を置いて調理する実験。
 
 太陽熱が弱いときは、ビオでフェアトレードマークがついているお茶のティーバッグを使い、
 太陽熱が強いときは、コーンからポップコーンを作ります。

 
【ドイツ教育関連視察ツアー】小学校と中学校向け環境教育授業「エネルギー学校 ミュンヘン」_f0037258_13255655.jpg



最後にドイツでなぜ環境大国になっているのかについても尋ね、下記のような回答をもらいました。



 「80年代から原発反対運動が起こり、1986年にチェルノブイリの原発が爆発して安全でない
  ことがわかり、90年代にはドイツに緑の党という政党が生まれ、エコ化がより進んだのが
  理由だと思います」





日本の環境の動きを尋ねられたので、「エコポイントシステム」について説明しました。担当者は、「ミュンヘンで導入するのもいいかもね~」みたいなことをおっしゃっていました。




そして、素晴らしいのは、学校の先生向けの教材がよくまとめられていて、先生は自分のクラスの生徒のレベルに合わせた設問をピックアップし、授業の資料としてコピーできるというもの。



ミュンヘンでは「モビリティー」が最重要テーマであることが改めてわかり、今後のGreen Cityの動きにますます目が離せません。
by midorimartin | 2010-11-09 13:33 | ドイツの環境教育