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カテゴリ:シュタイナー教育( 28 )

【視察5日目】ルードルフ・シュタイナー学校☆

ドイツ教育機関視察ツアーの最終日は、イスマニング(Ismaning)にある「ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校(Rudolf Steiner-Schule Freie Waldorfschule)」でした。





昨年の11月11日に訪問した際の記事はこちら。http://miamama.exblog.jp/14959196/




快晴でとっても暖かく、青空が澄み渡っています。Ismaningの駅でバスを待っていると、以前勤めていたドイツの会社の元同僚に再会。ちょっとおしゃべりして楽しいひと時が持てました。





● エポック授業 1年生 6歳から7歳  (8時10分から9時55分)



子どもは全部で33名。でも、最初からいたのは27名でした。あとの6名は遅刻してやってきました。





担任の先生が私たちを温かく迎えてくださり、日本の地震の話を少しされて「日本のためにみんなで祈りましょう」とおっしゃってくださいました。心にしみました。





女の子が季節のテーブルのロウソクに灯をともしました。




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先生がグロッケンを奏でると子ども達が起立しました。




先生と一緒に「太陽と土と花の歌」を歌って、「太陽の恵みが光を与え力を与える」というテキストをみんなで暗唱しました。その後、「おはよう、先生」、「おはよう、こどもたち」という挨拶をして、また歌を歌ってテキストを暗唱し、手遊び歌や指遊びやリトミックの動きに変わりました。




先生が子どもの手を取ってライゲンが始まりました。歌の内容は、「ウサギのママが自然の中で踊って、クロッカスが咲いています」





その後、韻をふんだテキストをみんなで暗唱し、輪になって足踏み。つま先で軽やかにライゲン。ウサギになってライゲン。「星が輝き、私たちは力がみなぎっています」というテキストを暗唱し、その場でジャンプして、手と足も使って体を動かしました。




先生が歌いながら、頭の上に乗せる小さいクッションを子どもたち一人ひとりの頭の上に置きます。先生も頭の上に小さいクッションを置きました。




後ろ向きにライゲンしたり、早足で前向きにライゲンしたり、クッションを使って運動しました。





8時30分頃、先生が「魔法の杖」と言って筆を取り、空中にアルファベットを描き始めました。




最初の言葉は、「KRAN(クレーン)」、次が「MOND(月)」。私も一緒にやったのですが、なかなか難しかったです。




一人の男の子が羽を使って魚釣りをしている黒板絵がありました。先生がこの絵のお話を始めました。




「マーティンとフランチェスカがいます。山頂から男の人が降りてきました。釣竿とバケツを持っています。この男の人は何をしたのかな?」と子ども達に尋ね、一人の子どもが「山頂の湖で魚釣りをした」と答えました。




先生は話を続けます。「そうだね。マーティンとフランチェスカは、魚がいるのかどうか心配で山頂の湖に行きます。湖の魚は一匹しかいません。他の魚は全部釣られちゃいました。魚をどうやって山頂の湖に連れて行こう?そうだ、カラフルな羽を持つFINKを探そう。FINKの羽を釣竿につけて、魚を導こう」





FINKの和名は「アトリ」で、すずめに似たドイツの小鳥のことです。先生は「F」が何個も入っている文章を言って、子ども達に暗唱させます。そして、「Fは全部で何個あったかな?」と聞いて数を当てさせました。答えは「9」でした。





「マーティンは岩を飛んで、釣竿につけたFINKの羽を使って、魚を一匹導き、山頂の湖には魚が二匹になりました」







私が感心したのは、黒板絵の魚の形が「F」の形になっていことです。子ども達はこのマーティンの魚の話を「F」と関連させて覚えるわけです。印象として残るので忘れることがあまりないのではないかと思いました。




8時55分頃、前日の宿題の話になりました。黒板に4つ色の通りが描かれていて、その通りの上に、

BUNTE 
BLUMEN * SO 
ROT * SO 
BLAU * UND 
SO * GELB

というポエム長なテキストが書かれています。




「色とりどりの花。きれいな赤。きれいな青。きれいな黄色」という意味になります。




今日の宿題を先生が黒板に書き始めます。「まずは4つ通りを描いてください。そしてこのテキストを書いてください」





DER * BUB * MIT 
NAMEN * KLAUS 
ISST * SO * GERNE 
BROT * UND * KERNE



意味は「クラウスという名前の少年はパンと穀物を食べるのがスキ」。





子どもはエポックノートに4つの通りの色を塗って文章を書いていきます。





作業が遅い子もいれば、早い子もいて、他の子どもにちょっかいを出す子どももいました。





先生は、「Kuemmere dich selber」と言います。つまり、「自分のことをしなさい」という意味になり、「やめなさい」という言葉でなかったのが印象として残りました。





9時15分、先生は子ども達に新しい紙を渡して、黒板絵を紙に写させます。といっても、そのまま模写するのではなくて、自分のイメージで子どもたちは描いています。




「この絵で大切なのは魚です。魚、あるいはマーティンを描いてから、他の部分を描きなさい」





先生は魚が上手に描けている子どもや全体的に上手に描けている子どもの絵をみんなに見せて誉めていきます。




9時30分、先生が「ちょっと手を休憩させよう」と言って、子ども達に座りながら手足を使って運動させました。子ども達はまた描き始めます。




9時40分、「描くのを止めて立とう」と言って、手足を使って「土や太陽の歌」を歌って、Brotzeit(2回目の朝食)が始まりました。




Brotzeitの間、先生は宿題をチェックして、星印をつけていきます。私がそれはどういう意味ですかと尋ねると、「宿題をやったという意味で、とてもよくできている子どもの宿題には大きな星印をつけます」というお返事でした。なるほどなあ~と感心しました。




9時50分、先生が子ども達に今日の宿題は何か確認しました。




9時55分、休憩時間になりました。子ども達はみんな校庭に行きました。





● 1時限目 ~ 2時間目 工作 5年生 11歳から12歳 (10時15分から11時50分)




昨年11月の視察時には、工作の時間を見学させて頂く機会がなかったので、わくわくしながら実習室に向かいました。




粘土で作品を作り焼いて、また色を塗って焼いて、作品を完成する作業を子ども達はしていました。





テーマは、「古代文明」。この粘土工作の最終的な目標は「カエル」。先生の説明では、「まずはボールを作って中をくりぬいて焼く。そして、鳥を作って中をくりぬいて作って焼く。最後にカエルを作って中をくりぬいて焼くというステップを踏んで勉強します」。




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写真では、黄色がボール、青が鳥、白がカエル。奥の茶色が色を塗ったカエル。




5年生はエポック授業で、古い順に、インド文明、ペルシャ文明、バビロン文明、エジプト文明という古代文明の勉強して、この工作に挑んでいるそうです。



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粘土に塗る色は、子供向けの粘土用のGlasurfarbe(エナメルカラー)を使っています。焼く前の色と焼いた後の色に違いがあるため、子ども達は焼いた後の色を考えながら塗っているとか。




焼き釜が工作室の横にあり、本格的な実習にびっくりです。まるで焼き工房の世界ですから!!




先生はおっしゃいます。「私たちは職人を育てているわけではありません。あくまでも授業の一貫としてやっています」





焼き釜室を真ん中に2つ工作室があって、隣りの工作室では、11年生(17歳から18歳)が木の彫像(Holzskulptur)を作る作業をしていました。少し見学させてもらったのですが、真剣に彫刻を彫ってみんな集中してやっていたので感心しました。






また5年生の工作室に戻り、先生はシュタイナー学校の工作の本を見せながら説明されます。





「植物の成長は、種が蒔かれ、発芽して、葉が出て、成長し、蕾が膨らみ、花が咲き、また枯れて、土に戻ります。これらの変化はゲーテのメタモルフォーゼであり、ルドルフ・シュタイナーは人間も同じ変化を遂げると考えました」






5年生はモデル(見本)があって創作活動を行いますが、10年生から自由な創作活動が可能になるそうです。




先生は言います。「固定概念を与えることは創作の邪魔になります。特に年齢が低ければ低いほど、細かに段階を分けて説明する必要があります。例えば、今からカゴを作りますよ。丸を作りますよ。中を押しますよ。外を押しますよ。最初から人間を作りますよと言ってしまうと、難しすぎてできないということになってしまいかねないので、部分的に少しずつ作るために、先生は小出しに説明をしなければならないのです」





なるほどなあ~っと感心してしまいました。年齢に応じて説明方法を変える必要があるということなんですよね。





11時15分、後片付けが始まりました。先生は言います。「後片付けは作業と同じくらい重要なんです。子どもによっては片付けをしたくない子どももいるので、ちゃんと一人ひとりが後片付けができるように先生は導かなければなりません。後片付けに時間がかかります」





最後に先生がおっしゃったことが印象的でした。それは、「枠組みを作ってあげて、あとは子どもの自由に任せるのです」



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● 3時限目 音楽 12年生 18歳から19歳 (12時5分から12時40分)




シュタイナー学校の生徒は、アビトゥーア(大学入学資格)を受ける前に、1~2年の準備期間が必要です。




そして、アビトゥーアに合格するためには、通常4教科に対して、8教科に合格しなければなりません。その中の一つの科目が音楽なのです。





先生は最初に音楽の試験勉強の心構えをおっしゃっていました。





「自分はできる、自分は賢いと思って、挑戦するつもりで、試験に挑みなさい」




音楽理論の勉強で、テーマは「インターバル(音程)」。Prime(プリーメ/1度)、Sekunde(ゼクンデ/2度)、Terz(テルツ/3度)、Quarte(クアルテ/4度)、Quinte(クインテ/5度)、Sexte(ゼクステ/6度)、Septime(ゼプティーメ/7度)、Oktave(オクターベ/8度)。





今日のお題は「ゼクンデ」だったみたいで、大きいゼクンデは全音で、小さいゼクンデは半音という説明を先生がなさっていました。私は音楽専門ではないので、正直「なんのこっちゃ」だったのですが、お客さまがよく理解してくださったので安心しました。




12時20分、「Tonight」の歌の練習が始まりました。男性が12名、女性が6名。女性はソプラノとアルトに分かれ、男性は全員バスでした。みんな頑張って歌ってました。





● 4時限目 フランス語 5年制 (12時45分から13時30分)





フランス人の先生がフランス語を教えられているので発音がとってもきれいで耳に心地よく残ります。





まずは人称代名詞を勉強。そして、宿題のチェック。お題は「好きな食べものは何?」




先生は私たちを見て、「僕の好きな食べ物は寿司」という文章を作ってくださいました。




その後、子ども達から、「ケバブ」、「チーズシュペッツエレ」、「スパゲッティカルボナーラ」という声があり、みんなの好きなものがわかりました。





ドイツ語で説明しながらも、フランス語をしっかり教えられている先生の姿に感動しました。






その後、お客様と私はオイリュトミーの伴奏をされているH先生とカフェテリアでお会いして、昼食を取りながら楽しく歓談させて頂く機会を持つことができました(→ H先生、アレンジしてくださり、またお時間も取ってくださり、本当にありがとうございました!)。





一学年1クラスで、子どもの人数は38名まで。エポック授業を1クラス全員で受け、語学等の授業は1クラスが2つに分かれ、実習は1クラスが3つに分かれるそうです。





今回の視察にて、シュタイナー学校をまた一歩深く学ぶことができたので、私は心から嬉しく思っています。





学校からの帰り道はバスではなくて徒歩で駅に向かいました。




シュタイナー幼稚園の向かいにある湖がキラキラして私たちに挨拶してくれました♪




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ここでちょっとした感動話を。工作の時間に、クラスの一人の女の子から、幼稚園で仲良しだった日本人の女の子のお友達が、日本のどこに住んでいるかわからず安否がまったくわからないので泣きながら心配と言われ、インターネットで検索して問合せした結果、お友達の女の子は地震があったとき
福島にいたのですが、現在広島にいて無事ということがわかりました。ドイツ人の女の子の思いがお友達の日本人の女の子に通じたような気がしています。

このように日本人だけではなくて、ドイツ人も他の国の人もみんな、今日本のことを心配しています。その思いが通じて、これ以上の被害を発生させない原動力になればと心から願っています。
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by midorimartin | 2011-03-17 19:38 | シュタイナー教育

大阪の「くすのき園あびこシュタイナー幼稚園」を訪れて

ミュンヘンに戻る前日、つまり出張の最終日である2月23日(水)、私は大阪の「くすのき園あびこシュタイナー幼稚園」を訪れました。




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リンクはこちらです → http://kusunokien.exblog.jp/






場所は、前日に集合場所として指定されていた、南海高野線の我孫子前駅から徒歩訳10分のところ。



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「森のようちえん どんぐり」の和田園長先生と、「堺市ふれあいの森」のレンジャーのYさんが、私のために一緒にくすのき園あびこシュタイナー幼稚園の場所を見つけてくださったので、当日は余裕を持って出かけることができました(和田園長先生、Yさん、その節は本当にありがとうございました!)






今回の出張で、行きたかったところは、もちろん森の幼稚園で、その次にはシュタイナー幼稚園、そしてモンテッソーリ幼稚園。





モンテッソーリ幼稚園には幾つかドイツからお問合せをしてみたのですがなしのつぶてで、シュタイナー幼稚園も横浜シュタイナー学園の講座のみでしたので途方に暮れていたところ、「空堀ことば塾」の「ことばの家・水曜講座」に受講することを思いつき問合せしたところ、講師の諏訪耕志さんからお返事があり、「くすのき園あびこシュタイナー幼稚園」をご紹介して頂いたのでした。





空堀ことば塾のリンクはこちらです。http://space.geocities.jp/kotoba_jyuku/index.html





水曜講座が10時から12時、くすのき園あびこシュタイナー幼稚園への訪問が13時半だったため、ランチしてから移動することが無理と判断して、水曜講座の受講を断念せざるを得なかったのですが、諏訪先生には心から感謝しています(諏訪先生、くすのき園あびこシュタイナー幼稚園をご紹介くださり本当にありがとうございました!)。





12時45分くらいに到着してしまい、私は外にいて保育終了を待っていました。すると、13時15分くらいに、子供たちが一つのお部屋に集まっているような様子が伝わってきたので、窓の側に立っていると、園舎の中から先生の美しい歌声が聞こえてました。




ミュンヘンのシュタイナー幼稚園を訪れたことがあるので、先生がどんなことをしていて、子供たちがどんな様子なのか、だいたい想像することができました。






約束の時間になったのでご訪問。まずは玄関にあった美しい冬のヴァルドルフ人形が私を出迎えてくれました。




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そして、キッチンに通して頂きました。樋口園長先生にまずは自己紹介をお願いしました。




「私はずっと保育士の仕事をしていて、モンテッソーリとシュタイナーと森の幼稚園を勉強しましたが、シュタイナーが一番しっくりきました。30年前、子安さんのシュタイナー本で注目したのですが、大阪ではシュタイナーを学ぶところがなく、15年前、環境保育ということで、モンテッソーリ教具の視察ツアーがオランダにあり参加することにしたのです。
日本人通訳の方のだんなさまがシュタイナーの先生で、オランダにてシュタイナー学校と幼稚園を見学する機会を得ました。そして、シュタイナーの保育環境に感銘を受けたのが大きかったですね。
日本に戻ってから、保育園を退職し、北海道のミカエルカレッジに入学して、シュタイナーの勉強をしました。一年目は人智学。二年目は小学校と幼稚園に分けて実習。東京「星の子」、箕面、名古屋「なないろ」、スイスのシュタイナーも視察した経験があります」





樋口先生のお話を伺いながら、私も今、ドイツ教育機関視察ツアーのプログラムを提供していて、森の幼稚園とシュタイナーとモンテッソーリの勉強をしているのですが、それぞれの教育の良さを感じながらも、森の幼稚園が一番しっくりくるなあと思っているので、しっくりくるものを一番強く勉強することが大切なんだなあって思いました。




樋口先生のお話は続きます。



「シュタイナー幼稚園は、東京に多く、大阪、箕面、京田辺(学校、幼稚園)、三重、大津、名古屋にもあります。無認可で、保護者立ち上げで、民家を借りる形が多いです。



当園は最初、帝塚山の民家を借りてオープンしたのですが、半年後に我孫子にリオープンし、一年半が経ちました。助成金はありません。




園児は12人ですが、毎日10人前後が来ます。常勤は私ともう一人の合計二人です。近所の子供たちではなくて、遠方から来る園児が多いです。中には車で1時間かけて来る子供もいます」






曜日ごとにイベントが決まっています(同じ曜日に同じ事をするというのもシュタイナー教育で大切とされています)。





月曜日: 親子教室

火曜日: にじり絵

水曜日: 手仕事

木曜日: パンづくり(おやつがパン) → いろんな形のパンができる。

金曜日: お掃除の日(子供と一緒)



シュタイナー教育では、いろんな穀物をまんべんなく食べるのがバランス良いと言われています。





一日のスケジュールはこんな感じです。


8:45-9:00 登園

お部屋で自由遊び。大人は手仕事しながら見守り。

10:00過ぎ、集まり。簡単な手遊び、ゲーム。お祈り。

ライゲン(輪になって踊る)

10:30 おやつ

11:00まで 公園、大和川の土手。

帰ってきて人形劇。

12:30 お弁当。

13:30-15:30 降園






保育室を見させて頂きました。






畳のあるお部屋に、棚が置かれ、木製や布製の遊べるものや、木の実等の自然素材がありました。




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たくさんのヴァルドルフ人形や動物たちがいました。



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季節のテーブルもありました。



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子供たちが手仕事の時間に作った作品が飾られていました。




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シュタイナーでは、一人ひとりの誕生日が大切です。なぜなら、子供は親を選んで生まれてくるからなのです。樋口園長先生は、お父さんとお母さんの気持ちを誕生日っ子に伝えることを心がけていらっしゃるそうです。




0歳から7歳までは、体を作るのが大切なので、音や静けさなど環境がとっても重要。





樋口園長先生は、以前の保育園では園児に声を荒げて接していたのが、今は静かに話しても大丈夫になったそうです。それはきっとシュタイナー教育の賜物なのでしょうね。



シュタイナーの色彩論では、色は闇と光が交差するところにできるというところからきていて、
赤は感情的になり、緑は落ち着くなど、色により人間の心にもたらす効果は違ってきます。





私がシュタイナー学校で、美しい黒板絵を見たことをお話すると、樋口園長先生は「黒板絵は、白と黒が逆転するので難しいのです。そして、シュタイナーの先生はマルチでなければなりません。なぜなら、絵も描けて、歌も歌えて、保育も出来ないといけないのですから」とおっしゃられました。





本当にそうだなあ・・・って思ってしまいました。




私は樋口園長先生に4つの気質について尋ねてみました。つまり、子供の気質に注意しながら保育をなさっているかどうかです。





先生は、「同じ気質に合わせて対応しています。気質は対人関係にも役立つのですよ」と、アドバイスをくださいました。




また、「ドイツの場合、シュタイナー学校の卒業生は、アビトウア(大学入学資格)を取得するための勉強を1年から2年して、大学に行くことになるのですが、日本ではどうなのですか?」と尋ねたところ、「日本のシュタイナー学校の卒業生は、高校卒業資格を取って大学に行きます」と言われ、ドイツと似ているなあと思いました。



樋口園長先生いわく、シュタイナー教育ではテストがないのは自然なことで、担任をしていたら、テストしなくても子供のことをわかっていなければならないそうです。




思わず、「なるほど・・・」とうなずいてしまいました。




別の保育室も見させて頂きました。



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お祈りするためのキンダーハープとグロッケンがあります。美しい音色の鐘もありました(こちらはシュタイナー特有のものではなくて、樋口園長先生が旅先で購入されたものです。瞑想のときに使う鐘らしく、本当に心地よい音色でした)





お雛様のヴァルドルフ人形もありました。とってもステキです♪





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人形劇のお人形たちです。先生や年長さんが使ってもいいそうです。




樋口園著運先生から、「幼保一元化」を説明して頂きました。




「 日本は不況なので、働くお母さんが多くなっています。待機児童が多いため、幼稚園が保育園になるという発想で、つまり、幼稚園にてゼロ歳児から預かるという意味になります。2年後にスタートして、10年かけて確立させるそうです。幼保一元化を実行した幼稚園は助成金の対象になります」




幼稚園が保育園になる・・・ということが理論ではわかりましたが、実際にはどのようになっていくのか私には想像がつきません。例えば、森の幼稚園インターンシッププログラムで実習を終えられた保育士さんが、幼保一元化を実行している幼稚園にて働きやすいようになるのであればいいのになあ・・・って思ったりもしています。




最後に、樋口園長先生の作品を掲載したいと思います。とっても素敵な春の精ですよね~。



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そして、先生から教わったことのまとめです。


シュタイナー教育とは、「心の教育」です。心の教育には、「意思」、「感情」、「思考」が育たなければなりません。「意思」と「感情」と「思考」が育つ時期があるのです。正しい時期に正しい部分を育てるのが大切なのです。


「意思」は、0歳から7歳までで、強制的にあーせいこーせいと言ってはいけません。「感情」は、7歳から14歳までで、音楽・絵画・彫刻等、芸術活動を重視しなければなりません。「思考」は、14歳から21歳までで、理論だてて考えるようになり、思春期のため先生に批判的にならなければなりません。


シュタイナーが考える「自由の哲学」とは、「意思」・「感情」・「思考」をバランスよく育てることであり、バランスよく育つと自由な人間になれるのです。



今回、樋口園長先生にお会いして、シュタイナー教育のお話も伺えて、本当に勉強になりました。ありがとうございました。
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by midorimartin | 2011-03-05 16:17 | シュタイナー教育

横浜シュタイナー学園の公開講座に参加して

2月20日(日)、NPO法人 横浜シュタイナー学園の公開講座を受講しました。




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そもそも、なぜ2月19日から2月24日までの出張期間にしたかと言いますと、横浜シュタイナー学園の公開講座の情報をサイトで発見したからなのです。





昨年、11月にドイツ教育機関視察ツアーを行った際に、初めてミュンヘンのシュタイナー学校を訪問し、シュタイナー教育に触れました。






シュタイナー教育を理解するのには時間がかかるということもありますが、ドイツ語から入ったのでやはり日本語でシュタイナー教育のことを学びたいという衝動に駆られ、昨年11月に横浜シュタイナー学園にアクセスして公開講座の申し込みをしたのでした。






講師は松田仁氏。ドイツ・シュツットガルト・シュタイナー学校教員養成ゼミナール卒業。
ハンブルク・オイリュトミー学校で研修の後、1984年帰国。
2006年、スイス・シュタイナー養護学校にて実習。現在、鎌倉、大磯、逗子で奨学生のた
めのシュタイナー教育を実践。






横浜シュタイナー学園は、1年生から9年生までのカリキュラムを実践する学校で、今回の講座のテーマは、「第2七年期(学齢期に入ってから)の子どもに関わる大人たちの学びについて」というものでした。





松田氏はまず、教育の基本からお話くださいました。「何をしたら、子供の本当の助けになるのわかること。子供の成長発達の法則を知ること。幼児期の子供たちは模倣する存在。模倣を通じて学んでいく。そのため、第2七年期、つまり7歳から14歳までの子供には「権威」の対象が必要である」






シュタイナー教育の人間の見方は・・・




①肉体・物質体(0歳から7歳まで) → 死ぬと崩壊して土に帰るもの。





②生命体(7歳から14歳まで) → 生きている間に腐食しないように守ってる力がある。でも、目に見ることができない。




③アストラル体(14歳から21歳まで) → 意識があるから目が覚める。





④自我(21歳から) → 消化する主体。個性であり自分史を作り上げる力。




植物になくて、動物や人間にあるものは、「意識」と「感情」。①~④は胎児の段階で持っている。




7歳になって乳歯から永久歯に変えた力はどこに行くのか? → 子供の内面に働いて、記憶力や表象力になる。





この変形する力(記憶力)、つまり変容することを「生命体が生まれる」と言う。





変形させる力と記憶力は同じもの。変形させる力は7歳までは肉体にあり、記憶力は7歳から内面にある。そのため、7歳までに記憶を強要してはいけない。本来なら肉体に使われる力が損なわれるため。シュタイナーは早期教育をしない。




4歳半の子供はおおよその形が模写できない。なぜなら、目をそらすと子供の意識から抜け落ちるため。イメージが記憶できない。





7歳の子供は過去の体験を自分の意のままにイメージできるので、小学校に入学して勉強できるようになる。





小学校から思春期まで、家庭の中に「会話の文化」を養うこと。大人たちの興味深い会話には、子供も参加させること。例えば、無口なお父さんはしゃべる努力をして、おしゃべりなお母さんはあまりしゃべらない努力をしなければならない。そして、「会話の文化」から、子供の中の暴力性や攻撃性を抑えることができる。





幼児は周りの変化が体のすみずみまで入り込んでいく。心配性なお母さんや短期なお父さんは気をつけなければならない。幼児はお母さんの心配事までわからない。お母さんのまなざし、しぐさ、言葉のはしばしに心配事が刻まれているので、母親の体を模倣して心配性の体つきになる。






良い印象であろうが、悪い印象であろうが、感覚を通して幼児の体は形成されていく。






体や臓器は7歳までに大人の形に形成される。その後、成長するだけ。歯のみ新しく形成される。そのため、7歳までの体を形成する力を教育は妨げてはいけない。







松田氏は、十二感覚論の話もしてくださいました。シュタイナーは、人間には十二の感覚 - 触覚、嗅覚、味覚、視覚、聴覚、熱感覚、生命感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚、均衡(平衡)感覚、運動感覚が備えられていると考えました。






幼児期に大切なのは「意思感覚」で、平衡感覚、運動感覚、生命感覚、触覚になり、7歳から14歳までに大切なのは、「社会感覚」で、自我感覚、思考感覚、言語感覚、聴覚になります。






「平衡感覚」は直立の姿勢で立つことができることであり、「運動感覚」は自分の運動の知覚、「生命感覚」は体調の良し悪し(調和的な雰囲気、規則正しい食事時間、眠り時間)、「触覚」は触れて学ぶ(自我感覚が隠れている)。なぜなら、触覚(スキンシップ)が自我感覚につながるため。






安全で守られていることと自分は自由であることと同じで、「自分は一人なんだ」と知覚することは自我教育にとって大切であり、一人で何かしようと思ったときに大人の手があればいい。大人は「あれ触ってはだめ、これ触ってはだめ」と、子供の自由の体験を制限してはいけない。





「自我感覚」は他社の自我を知覚することであり、「思考感覚」は他社の言葉を知覚すること。




生命感覚が思考感覚につながり、運動感覚は言語感覚につながる。心の自由と結びついている。



平衡感覚は聴覚につながる。心の静けさ、内面の静けさ、他人の言うことが聞ける。




子供が知覚できるように、幼児教育者は、正しいことと良いことを体現しなければならない。




シュタイナーによると、5歳まではレゴブロックで遊ばせてはいけないそうだ。積み木であれば倒れるので平衡感覚が養えるため問題ないらしい。






8歳児には、具体的なイメージが必要であり、それが「心の母乳」になる。「先生、次早く聞きたい」ではなくて、「先生、次早く見たい」となる。





7歳ごろ、肉体から心へと浮上する力は、「フォルメン」に移行。体を変形した力を子供が使える科目がなかったため、シュタイナーは「フォルメン線描」を編み出さなければならなかった。つまり、直線と曲線のバリエーションを子供が体験すること。






先生はどんな感情を持って教育すればいいのか? → 感動、感激、熱中を持って音楽や言葉を与えること。先生の畏敬の気持ちは子供に影響を与える。





9歳~10歳は、模倣の力が失われていく。失われると、自分は世界と一つではないと感じるため、自分は一人ということになり、不安として現れるようになる。すなわち、「9歳の危機」。






幼児期は模倣の力が学ぶ力だったのが(模倣とは周りと一体化させること)、自分の意志を母親に伝えるようになり、学び方は模倣ではなくて権威になる。





大人は子供の質問一つひとつに具体的に答えてあげること。何が正しいのか、何が正しくないのか、子供は大人から聞きたい。




自分と世界を分ける。 → 分けるからわかる。





農業が大切。一人ひとりの自我が成長していく。大人が権威として生きる。友だち親子ではだめ。





頭だけでなく心で導入する。心が動くものは子供はわかる。自分を訂正できるのが本当の権威。





12歳から14歳になると、子供はどんどん意見を言って、大人から離れたいという内的欲求を持つ。




感情と意識が分離されるとすぐに手足の行動につながらない。 → 意思が自立していく。 → 大人になる。





手に働く意志は繊細。 → 内的プロセスを踏むことができる。





感情と意思が分離すれば、手に働く意志が使えるようになる。






18歳以降、自分で判断する力を養わせること。君達は君達に見えるように世界を見なさい。私たちの人間性を信じること。




シュタイナーは、体や心に障害をある子供に対しても、七年期のプロセスで接する。なぜなら、すべての心の障害は、肉体から来ているため。




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メモったノートから箇条書きにしてしまいましたので、少々読み難い部分があったかもしれません。すいません・・・。





また、講座内容についてでですが、あくまでも私の記事として公表しておりまして、横浜シュタイナー学園が記事内容を監修されたわけではありません。





私が興味深いと思ったのは、家庭の中で「会話の文化」が大切というもの。私と娘はよくしゃべります。夫は無口ですが、我が家では少しずつ「会話の文化」が成り立ってきています。私が話す量を少なくすれば更に良くなるのではないかと思いました(笑。





「良い印象であろうが、悪い印象であろうが、感覚を通して幼児の体は形成されていく」という部分にはハッとしました。娘のクラスの子供たちへの理解につながると思ったからです。






「触覚が自我感覚につながる」という部分も印象的でした。私はとにかく娘とよくスキンシップします。いまだに朝目覚めた娘を抱っこします。無意識にやっていた行動ですが、他人に対して思いやりが持てる子供に育っている娘を見て、自我感覚につながっているかもしれないと思いました。





そして、8歳の娘に対して、私は母親として権威される存在でなければならないこともわかりました。





手に働く意志が大切であることもわかり、手仕事の重要性も感じています。






シュタイナー教育は、ちゃんと人間の成長に合わせた教育方法であり、子育てや対人関係へのヒントにもなると思いました。
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by midorimartin | 2011-02-28 20:28 | シュタイナー教育

実習生の履歴書を持参してシュタイナー幼稚園を訪れました

実習先として3つめの森の幼稚園が決定し、1つめと2つめの森の幼稚園からまったく言われなかった履歴書の送付を依頼されました。






そして、シュタイナー幼稚園でも、実習生の履歴書の送付を依頼されていて、本日履歴書を持参して、幼稚園を訪れました。






今、4つめの森の幼稚園が実習先として候補にあがってまして、そこにも実習生の履歴書を持参する予定です。





今後は、履歴書はスタンダードになるかもしれません。





シュタイナー幼稚園には、8時30分ごろに到着。あからじめアポを取っておいたので、園長先生は私を快く迎えてくださいました。





履歴書は和文で届いたので私が独訳し手渡し。シュタイナー教育を実践する無認可の幼稚園に勤務されていたことが、園長先生から大変評価されたので私は嬉しく思いました。





メールでアポを取ったときには、すぐに帰りますと書いたのですが、園長先生から、「どうぞよかったら視察していってくださいよ」というありがたいお言葉が。






自由遊びしている子供たちを観察していると、園長先生が四季の飾り物(Jahreszeitentisch)のところの人形について説明してくださいました。






まずは「Koenig Winter(冬王)」。絵本の中の人物のようで、なんと園長先生が韓国にオープンしたシュタイナー学校を手伝ったときに、80名の参加者にこのKoenig Winterの作り方を教えたそうな。





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こちらは、「Blumenkind(花の子)」。




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雪だるまもあります。




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シュタイナー幼稚園では、布製のものはすべて手作りとのこと。心がこもっているから温かみが伝わってくるのですね。






愛らしい小人の人形たち。




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子供たちが遊ぶのに大好きな手作りの紐。




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シュタイナー教育で使われているブロッククレヨンを使ってお絵かきする子供たちもいました。私は「よかったらお絵かきされますか?」と言われたので、「はい♪」と言って、もう一つ見させて頂いた絵本の中から、「Wurzelkinder(根っこの子供たち)」を3人描きました。





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何人かの子供たちが私の側に来て、「これなあに?」と尋ねるので説明していると、一人の女の子が「空が抜けてる」と言うので、「じゃあ、お空を書いてみて」と言って描いてもらい、絵本の中になかった太陽やリンゴの木や花も描き始めました。子供の豊かな創造性に私は圧倒されました。



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別の子供が「絵本を読んでちょうだい」と言うので、読み聞かせをすることになり、ほとんどの子供たちが集まってきたのでびっくりしてしまいました。





ちょっとした先生気分を味わうことができました!





そして、私の絵にいろんなオブジェを描いてくれた女の子がその絵が欲しいと言うのでプレゼントしました。




10時くらいになったので、先生は歌いながら後片付けを始めました。今日はお誕生日っ子がいたのでお誕生会もしました。




お誕生日っ子は冠をかぶって、他の3人の子供たちと一緒に別室にいます。





私たちは手をつないで歌をうたいながら円を描くように並べられたイスに腰掛けました。





2人の子供たちはドアのところで門を作り、1人の子供が別室にいる4人の子供たちを呼びに出かけました。





5人の子供たちは、2人の子供たちが作った門をくぐり、私たちがいるイスに腰掛けました。





先生達は誕生日の歌を歌います。手を使って歌うので私も真似をしました。





3人の子供たちは、チターような楽器で音楽を奏でます。






その後、一人ひとりの子供たちが誕生日っ子にお祝いの言葉を述べました。




おもしろいことに、「お誕生日おめでとう。ご多幸とご健康をお祈りします」という上等文句は使わず、「お誕生日おめでとう。金の玉をお祈りします」とか、「お誕生日おめでとう。太陽の力を祈ります」とか、別の言葉をみんな言うのです。





「宝石」という言葉を使った子もいて、「太陽」や「ゴールド」や「星」はシュタイナー教育では重要なキーワードなのかもしれないと私は思いました。





そして、10時30分頃、みんなで朝食。バターを塗ったパンとリンゴを食べ、誕生日っ子のママが持ってきたケーキも食べ、ハーブティーも飲みました。





11時過ぎにみんなで、幼稚園の目の前にある、Eisweiherという湖へ行きました。



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ぶあつい氷が張ってあって、小高い丘が湖のすぐ側にあるので、子供たちはみんなでPoporutscher(お尻の下に敷いて滑るプラスチック製のソリ)を持ってソリ滑りをしました。





8時半から11時過ぎまでの約2時間、幼稚園に滞在しただけなのですが、シュタイナー教育にまた少し触れることができたのでとっても感動しています。




空もとっても美しかったです。




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by midorimartin | 2011-02-04 00:21 | シュタイナー教育

シュタイナー学校のクリスマス市☆

11月27日(土)、Ismaningのシュタイナー学校のクリスマス市へのご招待を受けて参加してきました~。






メインは、H先生のチャリティーコンサートと、シュタイナー幼稚園の人形劇。





コンサートホールの立派さにとってもびっくりしました。でも、途中で退場することが不可能でしたので、泣く泣く出るはめに。次回はぜひチャリティーコンサートに参加したいです。





そして、園長先生の人形劇は、人形を動かす先生の指の動きと歌声が優しくて、私はうっとりしながらお話の世界に入ってました。




マーケットで買い物もしました。




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羊毛フェルトでできたウサギ(このウサギが人形劇に登場してました!)と、たぶん子供が作った木彫りのキツネ。





手作り感と色合いの素朴さがまさに私のハートをわしづかみしてます☆
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by midorimartin | 2010-12-07 14:23 | シュタイナー教育

シュタイナー幼稚園を訪問しました

11月26日、Ismaningのヴァルドルフ幼稚園(Waldorf Kindergarten)を訪問しました。





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11月にシュタイナー学校を視察させて頂いた際に、お世話になったオイリュトミー授業のピアノ伴奏を担当されている日本人女性がいて、その先生にお願いして、園長先生に話を通して頂いたいので訪問が実現しました(H先生、ありがとうございます!)。





雪がちらつく中、Ismaning駅から15分ほど散歩して、幼稚園に着いたのが8時半。



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来年の9月以降に、シュタイナー学校の側に園舎が移転するそうで、今はレストランだった場所を園舎として使われています。



この園舎には、年少グループだけがいました。園舎移転後は、3つのグループ(保育園、幼稚園年少、幼稚園年長)になるそうです。





登園していた子供たちは、ダイニングルームでお絵かきをしたり、教室で自由遊びをしていました。





そして、人形劇をしている子供たちもいたのです。





園長先生が歌を歌います。その歌詞に合わせて、子供たちが人形を使って演技をします。そうです、即興劇です。





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劇をしている間、劇を見ている子供たちもいれば、自由遊びを続けている子供たちもいました。





9時から、オイリュトミーの時間です。オイリュトミーの先生が来ました。




オイリュトミーをするために、劇に使っていたテーブルやイス等を、先生が歌を歌いながら片付けていきます。




そして、輪になって座れるように、歌を歌いながら、イスを並べていきます。




私も一緒にイスに座り、朝の挨拶を歌と指を使って行いました。




一人の子供が、オイリュトミーシューズを配ります。




子供は受け取ると、上靴からオイリュトミーシューズに履き替えます。できない子供は先生が手伝います。




その後、保護者が作ったオイリュトミー衣装を着ます。




二人の子供が衣装を持つ係りで、先生が一人ずつ名前を読んで、「Guten Morgen Midori」と声かけをして、先生は子供たちにオイリュトミー衣装を着せます。




淡い色のゆるめのスモッグようのような衣服を想像してみてください。




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先生と子供たちは手をつないで列になり、歌いながら、オイリュトミーをする場所に行きます。






なんと、私もゲスト用のオイリュトミーシューズを着用して、オイリュトミーを初体験しました!





森の中で小人が巨人に出逢うお話で、先生の動作を真似ながら、くるくる回ります。



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リトミックのような感じなのですが、ストーリーがあるので演技をしているような感覚にもなるし、先生の歌声や踊りが柔らかいので、オイリュトミーの世界にすっと入れました。





子供たちはまだ小さいので、一緒に踊れていない子供もいましたが、こうやって幼稚園のときから耳と心で学んで、独自のオイリュトミーが形成されていくのかもしれないと思いました。





10分から15分後、また手をつないで歌を歌いながら列を組んで、席に戻りました。




最後に、「Auf Wiedersehen Liebe Midori」と先生が子供一人ずつに声かけをして、子供たちも「先生さようなら」と答えていました。




列を組んだときの配置で席に座りますので、自分の席にまた戻らなければなりません。




先生が、「今日は誰がZauberspruch(魔法の言葉)を言うの?」と尋ねて、係りの子供が「Hexe, Hexe」と呪文を唱えて、子供たちは自分の席に戻り、靴を履き替えます。





係りの子供たちが今度はオイリュトミーシューズを集めていきます。




そのときも、「Schuhster」という歌を歌って集めます。




その後、「Waschfrauen kommen」と歌って、オイリュトミー衣装を脱いでたたむ作業をします。できない子供は先生が手伝います。



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本当にいろんな係りがあってびっくりしました。園長先生はこう言います。




「子供たちは仕事をしたがっているの。それは、自分の価値(Selbstwert)を見出せることにもつながるからなのですよ」





私は森の幼稚園と通じるものがあるなあと思いました。森の幼稚園の先生も私に、「子供たちが先生がすることを真似て仕事をして社会の役割を知るのです」と言ったことを思いだしたからです。





子供たちが仕事を通して学ぶ目的の意義が少し違いますが、子供が役割を持つことが成長に良いという教えは一緒だと思いました。





10時30分くらいから、Brotzeit(朝食と昼食の間の食事)が始まります。




幼稚園がフルーツ入りのミュースリを提供します。



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歌を歌って、お祈りをして、食事しました。




食事の後は、外遊びです。園舎に隣接している公園で子供たちは遊びます。





この日は雪が積もりましたので、子供たちは小さいスコップを持って大はしゃぎで遊んでいました。




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園長先生は、韓国人がシュタイナー学校を作られるときに協力されたそうで、6回くらいトレーニングのため韓国を訪れたそうです。



そのためアジア人に非常に好意的で、インターンシップの話を受け入れてくれたのだと思います。




インターンシップは既に参加者が決まっています。私もできるだけ幼稚園の行事に参加して、日本人実習生をお助けすることになっています。




今から季節の行事を通して、先生や子供たちにまた会えるのが待ち遠しいです。
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by midorimartin | 2010-11-27 13:04 | シュタイナー教育

【ドイツ教育関連視察ツアー】ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校を視察しました

ドイツの教育関連視察ツアー二日目。






イスマニング(Ismaning)にある「ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校(Rudolf Steiner-Schule Freie Waldorfschule)」を訪問しました。



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私は今までシュタイナー教育とは縁のない生活を送っていましたので、見るもの聞くもの感じるものがすべて新しい世界でした。






● エポック授業 2年生 7歳から8歳 (8時10分から9時55分)





淡い日差しと先生が鳴らす鉄琴の響きと子供たちのエポックノートの色使い。





これだけで私は柔らかな光に包まれながら子供たちと一緒に授業を受けている気分になりました。




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先生は、鉄琴を優しく鳴らして、子供たちを集中させます。





授業中、子供たちが騒がしくなってくると、鉄琴を鳴らして落ち着かせていました。





祭壇のような四季の飾りもの(Jahreszeitentisch)の上にあるローソクに火を灯し、先生の机の上のローソクにも火を灯します。




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太陽、星、水の歌を歌い、最後に妖精が出てきました。先生の優しい指使いを見て、妖精が本当にいるようだと思いました。





丸い列を組んで、机の周りを、前後に回りながら、数字の勉強をします。






例えば、「3の位の数字が来たら足踏みしましょう」






その後、先生が音読する文章問題に入ります。






例えば、「私は8個のどんぐりを持っていました。今は6個持っています。リスさんは何個持って行ったでしょうか?」








子供たちは集中して聞きながら答えの数字を考えます。






答えは子供たちに言わせるのではなくて、胸の前で正解の数字を指で作らせます。





そして、黒板を軽くノックして数字を当てさせ、足し算と引き算を勉強します。






例えば、右側の黒板を3回不定期にノックして、左側の「+」と書かれてある黒板を4回不定期にノックして、「3+4=7」という数字を導きださせます。





その後、子供たちは、黒板に書かれた月の絵と数式を、エポックノートに写します。






新しく習う数式の横には、赤い花が描かれていて、その花も子供たちはノートに写し取ります。






そして、子供たちはクレヨンを使って思い思いに数字と答えを書き込んでいきます。






45分間、算数の勉強をした後、詩の朗読時間に入ります。






三人の子供たちが、先生からもらった自分の詩を暗記して読み上げます。





この日は火曜日生まれの子供の番でした。





30分後、再び歌を歌って「Brotzeit」の時間になりました。






歌で始まって、歌で終わるエポック授業。身体を使って算数を学ぶ姿にとても驚きました。






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20分の休憩時間に行くとき、先生は一人ひとり子供の名前を呼び、教室のドア前でお見送りします。




子供たち一人ひとりを先生がちゃんと見ているという姿が印象に残りました。






● 1限目 オイリュトミー 6年生 12歳から13歳(10:15 - 11:00)




オイリュトミーシューズをはいて、つま先を動かし、前に数歩、後ろに数歩、動いてウオーミングアップします。





子供たちは、ピアノのテンポに合わせて輪になって踊ったり、16歩横に動いたり、交差したりします。





子供たちは、先生が読み上げるゲーテの詩と、ピアノの音とテンポ、ホワイトボードに書かれてあるステップに注意しながら踊ります。





オイリュトミーは、先生の指示に従いながらも、音楽に合わせてシステマチックに身体を動かさなければならないので、ハードな運動だと感じました。





そして、オイリュトミーのピアノ伴奏者の方は、先生の指示を忠実に守りながらも、ピアノのテクニックが要求されるので、質の高いお仕事がだなあと思いました。





オイリュトミーの先生はオイリュトミストで、しなやかな身体つきでした。思春期の男の子たちに、「君が中心で地球が回っているんじゃないんだぞ」や、「体内の目覚まし時計を鳴らせなさい。身体が眠ったままでは間違ってしまうよ」と注意していました。





ウオーミングアップで慣らされた身体が、授業の最後にはみんながオイリュトミーの世界に没頭して形を作っていく姿に見入ってしまいました。





● 2限目 音楽 13年生 19歳から20歳(11:05 - 11:50)




シュタイナー学校の生徒は、アビトゥーアを受ける前に、1~2年の準備期間が必要です。




そして、アビトゥーアに合格するためには、通常4教科に対して、8教科に合格しなければなりません。その中の一つの科目が音楽なのです。





モーツアルトの楽譜の和音の話は音楽用語だらけでしたが、「魔笛」の音楽鑑賞は歌声が美しくうっとりしてしまいました。





音楽の先生がピアノを時々弾いたり歌ったりして、情熱的に子供たちに教えられる姿が印象に残りました。





● 3限目 フランス語 4年生 9歳から10歳 (12:05 - 12:40)




フランス人の先生が、ドイツ語とフランス語を交えながら、子供たちにフランス語を教えます。






身体の部位に触れながら、順番にリズミカルに部位の名称をフランス語で言っていきます。





「頭」、「首」、「腕」のように一つずつ部位を触りながら名称を言って、「頭」から「足」まで全部言えたら、今度は「足」から「頭」まで逆に言います。







フランス語がまったくわからない私には難しかったのですが、子供たちは何度も練習しているためかとても上手でした。




先生が黒板に、横向きに走る人物の絵を描きました。





子供たちもエポックノートに思い思いの人物画も描きます。





次の授業では、人物が描かれてあるページには矢印と数字だけを書いて、裏のページにその数字が示す部位の名称を書き込んでいきます。





先生いわく、一年生から三年生までは耳から聞いて覚え、四年生から書く練習を始めるそうです。





とっても優しそうなフランス人の先生でしたので、私も先生からフランス語を学びたいなあ~ってちょっと思ってしまいました。

● 4限目 オイリュトミー 10年生 16歳から17歳(12:45 - 13:30)





先生とピアノ伴奏者は、1限目と同じ方たちで、1限目に見た子供たちの動きよりも更に進化している子供たちの動きに、6年生と10年生の違いを見ました。





先生がホワイトボードに書かれた足の動きに注意しながら、子供たちは形を作っていきます。





Rose Auslaender(ローゼ・アウスレンダー)が作った「Mittelpunkt Mein Atem heisst jetzt」に、先生が足の動きをつけて、子供たちが八の字を作りながら交差し回っていきます。





Welcher Stern
ist Mittelpunkt
des Himmels
Erde
nicht du.

Aber du
Mensch
bist Mittelpunkt
der Erde.




先生は私に言いました。







『「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の母音を声帯に合わせて、広げたり、引き締めたりする動きをつけるので、「オイリュトミーは見える言葉だ(sichtbare Sprache)なんですよ。日本語のオイリュトミーをご覧になられるのもおもしろいと思いますよ』




● 園芸 10年生 16歳から17歳 (14:15 - 15:15)




「木の伐採週間」が始まるらしく、「自分の采配でリンゴの木を切ることが最終的な目的」と、先生は子供たちに伝えます。






先生は最初に、「私たちはなぜ描くのか?」と、子供たちは質問を投げかけます。





子供たちは学んできた答えを伝えます。まとめると「細部までちゃんと見て知覚するため」





先生は続けます。「自由とはなんだろうか。自由に決断をするとはどういうことなのだろうか」





子供たちは「自由とは自分の思い通りにできること」とか、「ルート66の世界が自由」と答えます。






先生は、「欲求が動機づけで直感的に決断することは自由な決断とは言えない。概念がないことは、知覚ではない。自覚や意識を発達させることができる。自覚や意識は自由の中にある」と、言葉をたくさん並べていきます。




最終的には、「感情を五感のように発展させることにより、知覚したことが動機となって行動できたとき、私たちは自由な決断をしたことになる」と先生は言いました。





子供たちへの課題として、プラトンの「洞窟の寓話」のプリントが渡されました。






先生の話を聞きながら、私はたくさんメモを取り、家に帰って何度も何度も読み返してみたのですが、先生が何を一番に伝えたかったのか、理解するのに時間がかかりました。





それは「シュタイナーの自由の哲学」だったのです。






今もこうやってまとめながら、ルドルフ・シュタイナーが考える「自由」の定義が何なのか模索している状態です。




先生も「自由」は深いテーマで難解だとおっしゃっていたのですが、そのとおりだと思います。




もっともっとシュタイナー教育のことを勉強したいと思っています。
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by midorimartin | 2010-11-11 07:53 | シュタイナー教育

シュタイナー学校を訪問しました

昨日は、お客様からのご依頼で、イスマニングにある「ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校」を訪問しました。



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一日の見学が可能かどうかを探るのが目的でした。





お会いしたのは、Landesarbeitsgemeinschaft der Freien Waldorfschulen in Bayern e.V.
の代表者の方で、本当に好意的に私の話を聞いてくださいました。





イスマニングの駅から徒歩15分くらいかけてシュタイナー学校に行ったのですが、学校の周りは見事なトウモロコシ畑でした♪




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お会いした代表者の方から、「シュタイナー教育は、歯が生え変わったり、思春期があったり、人間の体や心の成長に合わせて、その成長を妨げないように授業が組まれています」という、とても興味深いお話を伺い、シュタイナー教育の見学が実現すればいいなあと思っています。
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by midorimartin | 2010-09-23 19:35 | シュタイナー教育