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【視察1日目】ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校☆

今週の水曜日、視察のお客様をお連れして、いつも大変お世話になっているイスマニングのルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校(Rudolf Steiner-Schule Freie Waldorfschule)を見学しました。





なんと今回で4度目の訪問になります。足を運ぶたびに、シュタイナー教育の魅力を肌で感じています。





● エポック授業 3年生 9歳から10歳 (8時10分から9時55分)



私の大好きなH先生のエポック授業です。聖母のような彼女を見ているだけで心が癒されます。




生徒数は約30名。心地よいグロッケンの響きで授業が始まります。先生が不在の子供を確認しています。自転車で転んだ女の子が一人いて今は自宅にいるという情報が入ってきました。





まずは季節のテーブルのロウソクに灯をともします。子供たちが手をあげて、先生が一人指名しました。




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先生が鈴を鳴らすとみんなが立ってキョーツケをしています。朝の歌が始まりました。





そして、朝の挨拶です。指体操をしたり、手の体操をしたり、また指体操をしたり、リトミックを15分くらい行いました。





前後に足を動かしながら、文章を暗唱します。例えば、こんな感じです。




前向きに行くときに「Ich lerne gut」と言って、後ろ向きに行くときは「Gut lerne ich」と言います。他には、「Ich will schaffen」、「Schaffen will ich」、「Will ich werden」、「Ja, will ich」。





二人の子供が黒板の前に立って、自分の詩を朗読しました。






今週のエポック授業では「天地創造」の勉強をしているみたいで、この日は4日目の勉強でした。
まずは今まで勉強したことのおさらいをして、それから4日目の文章と絵を学びました。





文章はこんな感じです。




「Vierter Tag




Und Gott sprach:





Es sollen Lichter ergaenzen am Himmelsgewoelbe und





anzeigen des Jahres und des Tageslauf」




和訳しますと「4日目。神が言った。天空に光が灯されなければならない。そして一年と一日の動きを示さなければならない」になるでしょうか。




黒板絵は太陽と月と星の絵です。子供たちはまず黒板に書かれてある文字をエポックノートに書き取ります。文字の書き取りが終了した子供は黒板絵をエポックノートに描いて行きます。






子供たちが作業している間、先生は宿題を見て回っていました。




私が感心したのは先生の声かけのスタイルです。例えば「ここの部分は、ブロッククレヨンの先端部分ではなくて、側面を使ってもう少し丁寧に書いた方が良いわね。でも、とっても上手にできましたね」




最初に子供たちの絵や文字の補われるべき部分を伝えて、最後に褒めるのです。





先生はお客様と私に「どうぞ歩き回って子供たちの様子を見てください」と言ってくださいました。





子供たちによって、書く・描くスピードや、書き方・描き方が違うので大変参考になりました。




H先生のご配慮に感謝です。この文字と黒板絵の作業は45分くらい行われました。




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できた子供たちが多くなってきたので、先生がグロッケンを2〜3回鳴らして、子供たちを落ち着かせ、「みんなできましたか〜?」と尋ねています。




そして、子供たちにノートを片付けさせて、席から立たせて軽くリトミックが行われました。





てんとう虫が頭や耳や腕や足に飛んでいきます。その様子を身体で表します。





その後、たて笛を吹くことになりました。新入生二人は学校から借りて、みんなで5分くらい吹きました。




まるで鳥のさえずりコンサートです♪





その後、着席して、先生が10分ほどお話を聞かせてくれました。スロベニア国王のお話です。




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平和な時代が続いたスロベニアですが、国王が亡くなります。子供がいなかったため、跡をつぐ者がいず、ハンガリーがスロベニアを攻めました。スロベニアの国民は、亡くなった国王がまた戻ってくると信じます。そこに外国の王子がやってきました。「僕も一緒に国王を待ちます」と言って待つこと10年。「王様を探してくる」と言ってこの王子はでかけます。大きな森がありました。行けども行けども森ばかり。小さい道を発見してどんどん進んでいくと、壁のような大きな岩にぶつかりました。途方に暮れて眠ってしまい、目覚めると月が見えました。岩が急に開いて洞穴が現れました。月明かりの中、洞穴の道を進んで行くと、洞穴がどんどん狭くなっていきます。立ったまま眠っている騎士がいました。大きな部屋があり、光が見えます。また立ったまま眠っている騎士がいてまた大きな部屋が。そして、また立ったまま眠っている騎士がいて、もっと大きな部屋。その部屋はキラキラしていて、一番に置くに玉座があり、亡くなった王様が座っていました。王子が王様に「国民があなたを待っています」と伝えると、王様は王子の手に自分の手を重ねて言いました。
「あなたが王になってください。そして、国民に伝えてください。私のことは忘れなさい」と。
部屋を出ると、眠っていた騎士達が新しい王の前で膝まづいています。
スロベニアに戻って、王様から言われたことを国民に伝えると、国民は新王を歓迎し、ハンガリーを追い出し、スロベニアには再び平和が戻ったのでした。






先生が手をクロスして終わりの儀式をします。そして、この日は誕生日っ子がいたので、お誕生日の歌を歌って、みんなでケーキを食べました。私たちも頂きました♪




お客様からの質問で、先生が最後にお話された物語のレパートリーを尋ねると、「数えきれないほどあります。そして、今日のお話ですが、元のお話をその日の子供たちの様子を見ながらアレンジして伝えたものです」。





そして、「子供たちはお話の感想を言ったりする時間もあるのですか?」と尋ねると、「3年生はまだお話を聞いてすぐに反応ができません。まずは自分の頭の中の絵を解釈しなければならないからです。4年生からすぐに反応ができるようになりますので感想を聞いたりすることができます」




お客様は更に「森の中で絵本の読み聞かせをしているのですが、お話を聞かせる方がいいのでしょうか」。先生の答えは、「本は使わずに物語を伝える方がよいですね。子供の頭の中に絵を描かせるのです。本を使ってしまうと絵が固定されているのでそれができなくなってしまいます」





なかなか興味深い話に私は感動してしまいました。そして、「子供に自由に創作させる」。これこそがシュタイナー教育の極意なのではないかと思いました。





● 1時限目 音楽 6年生 12歳から13歳 10時15分から11時




生徒数は約30名。今まで私は12年生の音楽の授業ばかりを見学していたので今回6年生ということでどんな感じなのか興味津々でした。





ウォーミングアップとして手拍子して足踏みしました。たくさん組み合わせがあり、私たちも一緒にやりました。





そして、歌を歌いました。「Musiker ..... die Harmonie da」





今日のテーマは「Intervalle(音程。2つの音の高さの隔たりあるいは関係)」。





先生が黒板に「Prime(1度)」、「Sekunde(2度)」、「Terz(3度)」、「Quarte(4度)」、「Quinte(5度)」、「Sexte(6度)」、「Septine(7度)」、「Oktave(8度)」の音符を書いていきます。




子供たちはこの音符をノートに書いていかないといけないのですが、ノートを持って来ていない子供がいて、他の子供から紙を貸してもらっていました。



その後、先生が鉄琴を使って、1度から8度まで演奏し、子供にどれを弾いているのかを当てさせます。




組み合わせの勉強もしました。どの音程とどの音程を組み合わせればオクターブになるのかが問題です。




そこから先生は法則性も導いて行きます。つまり、その2つの音程はお互いに補いあってオクターブになるというものです。





先生は黒板に以下の文章を書きました。子供はノートに書き写しました。





Jeder Intervall wird durch ein anderes zur Oktave ergaenzt. Man nennt dies Ergaenzungsintervalle.

"Komplementaerintervall"
So ist z.B. das Komplemententaerintervall zur Quinte die Quarte.




和訳しますと「それぞれの音程に一つの他の音程が補われることによりオクターブになります。このことを補完音程と言います。例えば、5度の保管音程は4度です。





先生から指名された子供たちも鉄琴を叩きます。先生は「1度を演奏しなさい」とか「2度を演奏しなさい」と言って、子供たちはトライします。そして、他の子供たちには正しいか間違っているかを考えさせます。




なかなか良い授業内容だったと思うのですが、なぜだか子供たちは最初と最後であまり落ち着きがなく、先生が「ゲストがいるのに恥ずかしい目に合った。こんなことが続くようだと考えなければならない」と言って怒っていらっしゃいました。





ちゃんと活を入れるときは活を入れられている姿が素晴らしいと私は思いました。





● 2時限目 フランス語 3年生 9歳から10歳 11時5分から11時50分




生徒数は14名。毎回、フランス語は見学させて頂いているので顔なじみの先生です。





挨拶 → 歌 → 子供の数を数える → 不在の子供の名前を言う 、、、これらのことがすべてフランス語で行われていきます。





そして、職業の名前を言って、子供たちは一人ひとり自分の職業を決めていきました。





パン屋、家具職人、靴屋、彫金師、、、、フランス語の説明だけだと想像しにくいのですが、時々ドイツ語でも先生がおっしゃってくださるので私も授業についていくことができました。




また、一度決めた職業を違うのがしたいと交換する子供が何名かいたのでおもしろかったです。





先生が私に「ギリシャ人の女の子がいて、ドイツ語と英語とフランス語がわからないのでちょっと大変なんだよ」と話しかけられました。




それでも、先生は平等にその女の子にも当てて、ゲームをしていきます。




まずは「数字当てゲーム」。黒板の裏に先生が数字を書いて、黒板の扉を閉じました。




子供たちは数字を言います。先生はその数字を黒板に書いて、その数字よりも大きい場合は「+」、小さい場合は「−」を書き込みます。




フランス語で数字を言わなければならず、なおかつ数字も当てないといけないので、子供たちは集中してなおかつゲーム感覚で授業に取り組んでいます。グッドアイデアだと思いました!




2つめのゲームは、四人の子供が前に出て、残りの子供は親指を挙げて目を閉じます。



4人の子供が、目を閉じている4人の子供の親指を引っ張ります。親指を引っ張られた子供は、どの子供が自分の指を引っ張ったのか当てなければなりません。




当たった場合、その子と交代して前に行きます。このゲームも、もちろんフランス語で「○○君(あるいは○○ちゃん)が触った?」と質問しなければならず、答える方も「ウイ」とか「ノン」とか言って文章で答えなければなりません。




遊んで楽しみながらフランス語を覚えて行く方法にとても好感が持てました。




最後は終わりの歌を歌って終了です。





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● 3時限目 英語 5年生 11歳から12歳 11時55分から12時40分



生徒数19名。歌を歌います。「leave out」という言葉を使って、その歌のどこのフレーズを言わないのかを決めます。





英語の文法を身体を使って学びます。英語の現在形は手を肩に。英語の過去形は手を重ねる。英語の現在完了系はキョーツケの姿勢。ドイツ語は片足を上げる。




例えばこんな感じ。to see, saw, has seen, sehen。




動作をつけながらどんどん覚えていきます。




この日は不規則動詞を子供たちは学びました。先生が黒板に英語とドイツ語を書いていきます。





先生は、最初に sing - sang - sung と言って、子供たちに発音が明るくなっていくのか、暗くなっていくのかを尋ねました。子供たちは「暗くなっていく」と答えました。








to begin - began - has begun - beginnen, anfangen



to spring - sprang - has sprung - (ploetzlich) springen


to sing - sang - has sung - singen



to ring - rang - has rung - laeuten, anrufen



to swim - swam - has swum - schwimmen




to drink - drank - has drunk - trinken




子供たちはノートに書き写すときに、先生に「toばかりを書いて、次に英語の現在形のみを書いてもいいですか?」と尋ねます。つまり、縦書きです。先生は「後でノートを見てちゃんとグループ分けになっているのであれば構わない」と答えました。




私が観察した限りでは、男の子の多くがこの縦書きの方法で書いていたように思います。子供たちの発想はすごいですね〜。






その後、「今日」と「昨日」と「明日」の文章を身体を使ってまた言っていきます。




例えば、手を肩に置いて「Today I swim in the sea」。指を後ろにして「Yesterday I swam in the sea」。指を前にして「Tomorrow I will swim in the sea」。







「Hazy Mountain」の教科書の最初の2ページを一行ずつ子供たちが読んでいきました。






私はお客様に時々和訳していたのですが、それを私たちがおしゃべりしていると思われてしまい、先生にはご迷惑をおかけしてしまいました。あとで誤解だったということがHさんのおかげでご理解頂けたようですが、次回からは授業の様子を見ながら、通訳は最小限に行われなければならないと肝に銘じました。




● 4時限目 オイリュトミー 10年生 16歳から17歳 12時45分から13時半




生徒数15名。高学年の生徒ということもあり、私たちが今日なぜいるのかについて少し説明しなければなりませんでした。




その後、手を後ろに組んで前後に動いたり、2列になって左右に動いたりして、子供たちはまずは練習。




その後、先生の指導で、形を作って行きます。四人ずつに分かれたり、一人ずつ順番に出たり、星形を作ったり、交互に動いたり、、、。静かになったり、荒々しくなったり、ピアノに合わせて子供たちは先生の意図を理解しながら、激しい動きと静かな動きを表現していかなければなりません。





男の子が4名、オイリュトミーシューズを忘れてしまっていたようで、時々床で滑ってました。




オイリュトミーの授業はほとんど毎回見学させて頂いていて、深い授業に感動しています。




「身体を使って表現し、一人ひとりバラバラなのにチームワークで演技してハーモニーが生まれることに感動しました」というお客様の感想を先生にお伝えしました。先生は喜んでくださいました。





お昼休みはカフェテリアで頂きました。とってもおいしいミートスパとデザート♪




アレンジしてくださったHさんと一緒にお食事できたので、本当に有意義な時間になりました(Hさん、毎回時間割をアレンジしてくださって本当にありがとうございます!)





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● 5時限目 園芸 7年生 13歳から14歳 14時15分から15時半





生徒数は約10名。こちらも高学年だったため、私はまたまたお客様の自己紹介をしました。





この日は2週間に1度行われる野良仕事の日で、先生がまずは女の子二人に「ハウスマイスターさんのところに行って芝刈り機を借りてきなさい」と言って、次に男の子一人に「ホウキを使って教室を掃除しなさい」と言い、最後は残った子供たちに「2つのグループに分かれて雑草抜きをしなさい」と仕事の指示をしました。





雑草とは外来種のことで、200年から300年前にインドから来たSpringkraut(ホウセンカ)。種が多いので時々引き抜かないといけないそうな。





みんな適度にさぼりながらもちゃんと作業をやってました。なかなかエラいと思いました!





先生も子供たちのそんな様子を温かく見守っている感じです。私たちにも「こんな作業をしているところを見て楽しいですか?」と声をかけてくださり本当にご配慮ある先生だなあって思いました。






私が先生に「野良仕事も授業の一環なのですか?」と尋ねると、「この農園は子供たちが全部自分たちで作ったものです。お世話することで良い収穫ができます。そのことを子供たちは知らなければなりません」。





まさにそのとおりです。馬フンが肥やしとして撒かれていました。馬フンはドイツ語では「Pferdeaepfel」というのです。直訳すると「馬のリンゴ」です。おもしろいですよね〜。





先生は蜂蜜作りの装置をピカピカに磨いていました。



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今回もまた収穫がたくさんあった視察になりました〜♪




Sバーンの駅まで歩いて帰ったのですが、お客様がシュタイナー学校のすぐ側の川を見て「これは近自然河川工法ですね」と言われました。




私はそんな名前を全然知りませんでしたので、教えてくださったお客様に大感謝です。




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by midorimartin | 2011-09-25 05:44 | シュタイナー教育