森ようツナギスト Japanication ゲッベルみどり

miamama.exblog.jp
ブログトップ

【視察5日目】ルードルフ・シュタイナー学校☆

ドイツ教育機関視察ツアーの最終日は、イスマニング(Ismaning)にある「ルードルフ・シュタイナー学校 自由ヴァルドルフ学校(Rudolf Steiner-Schule Freie Waldorfschule)」でした。





昨年の11月11日に訪問した際の記事はこちら。http://miamama.exblog.jp/14959196/




快晴でとっても暖かく、青空が澄み渡っています。Ismaningの駅でバスを待っていると、以前勤めていたドイツの会社の元同僚に再会。ちょっとおしゃべりして楽しいひと時が持てました。





● エポック授業 1年生 6歳から7歳  (8時10分から9時55分)



子どもは全部で33名。でも、最初からいたのは27名でした。あとの6名は遅刻してやってきました。





担任の先生が私たちを温かく迎えてくださり、日本の地震の話を少しされて「日本のためにみんなで祈りましょう」とおっしゃってくださいました。心にしみました。





女の子が季節のテーブルのロウソクに灯をともしました。




f0037258_17561665.jpg






先生がグロッケンを奏でると子ども達が起立しました。




先生と一緒に「太陽と土と花の歌」を歌って、「太陽の恵みが光を与え力を与える」というテキストをみんなで暗唱しました。その後、「おはよう、先生」、「おはよう、こどもたち」という挨拶をして、また歌を歌ってテキストを暗唱し、手遊び歌や指遊びやリトミックの動きに変わりました。




先生が子どもの手を取ってライゲンが始まりました。歌の内容は、「ウサギのママが自然の中で踊って、クロッカスが咲いています」





その後、韻をふんだテキストをみんなで暗唱し、輪になって足踏み。つま先で軽やかにライゲン。ウサギになってライゲン。「星が輝き、私たちは力がみなぎっています」というテキストを暗唱し、その場でジャンプして、手と足も使って体を動かしました。




先生が歌いながら、頭の上に乗せる小さいクッションを子どもたち一人ひとりの頭の上に置きます。先生も頭の上に小さいクッションを置きました。




後ろ向きにライゲンしたり、早足で前向きにライゲンしたり、クッションを使って運動しました。





8時30分頃、先生が「魔法の杖」と言って筆を取り、空中にアルファベットを描き始めました。




最初の言葉は、「KRAN(クレーン)」、次が「MOND(月)」。私も一緒にやったのですが、なかなか難しかったです。




一人の男の子が羽を使って魚釣りをしている黒板絵がありました。先生がこの絵のお話を始めました。




「マーティンとフランチェスカがいます。山頂から男の人が降りてきました。釣竿とバケツを持っています。この男の人は何をしたのかな?」と子ども達に尋ね、一人の子どもが「山頂の湖で魚釣りをした」と答えました。




先生は話を続けます。「そうだね。マーティンとフランチェスカは、魚がいるのかどうか心配で山頂の湖に行きます。湖の魚は一匹しかいません。他の魚は全部釣られちゃいました。魚をどうやって山頂の湖に連れて行こう?そうだ、カラフルな羽を持つFINKを探そう。FINKの羽を釣竿につけて、魚を導こう」





FINKの和名は「アトリ」で、すずめに似たドイツの小鳥のことです。先生は「F」が何個も入っている文章を言って、子ども達に暗唱させます。そして、「Fは全部で何個あったかな?」と聞いて数を当てさせました。答えは「9」でした。





「マーティンは岩を飛んで、釣竿につけたFINKの羽を使って、魚を一匹導き、山頂の湖には魚が二匹になりました」







私が感心したのは、黒板絵の魚の形が「F」の形になっていことです。子ども達はこのマーティンの魚の話を「F」と関連させて覚えるわけです。印象として残るので忘れることがあまりないのではないかと思いました。




8時55分頃、前日の宿題の話になりました。黒板に4つ色の通りが描かれていて、その通りの上に、

BUNTE 
BLUMEN * SO 
ROT * SO 
BLAU * UND 
SO * GELB

というポエム長なテキストが書かれています。




「色とりどりの花。きれいな赤。きれいな青。きれいな黄色」という意味になります。




今日の宿題を先生が黒板に書き始めます。「まずは4つ通りを描いてください。そしてこのテキストを書いてください」





DER * BUB * MIT 
NAMEN * KLAUS 
ISST * SO * GERNE 
BROT * UND * KERNE



意味は「クラウスという名前の少年はパンと穀物を食べるのがスキ」。





子どもはエポックノートに4つの通りの色を塗って文章を書いていきます。





作業が遅い子もいれば、早い子もいて、他の子どもにちょっかいを出す子どももいました。





先生は、「Kuemmere dich selber」と言います。つまり、「自分のことをしなさい」という意味になり、「やめなさい」という言葉でなかったのが印象として残りました。





9時15分、先生は子ども達に新しい紙を渡して、黒板絵を紙に写させます。といっても、そのまま模写するのではなくて、自分のイメージで子どもたちは描いています。




「この絵で大切なのは魚です。魚、あるいはマーティンを描いてから、他の部分を描きなさい」





先生は魚が上手に描けている子どもや全体的に上手に描けている子どもの絵をみんなに見せて誉めていきます。




9時30分、先生が「ちょっと手を休憩させよう」と言って、子ども達に座りながら手足を使って運動させました。子ども達はまた描き始めます。




9時40分、「描くのを止めて立とう」と言って、手足を使って「土や太陽の歌」を歌って、Brotzeit(2回目の朝食)が始まりました。




Brotzeitの間、先生は宿題をチェックして、星印をつけていきます。私がそれはどういう意味ですかと尋ねると、「宿題をやったという意味で、とてもよくできている子どもの宿題には大きな星印をつけます」というお返事でした。なるほどなあ~と感心しました。




9時50分、先生が子ども達に今日の宿題は何か確認しました。




9時55分、休憩時間になりました。子ども達はみんな校庭に行きました。





● 1時限目 ~ 2時間目 工作 5年生 11歳から12歳 (10時15分から11時50分)




昨年11月の視察時には、工作の時間を見学させて頂く機会がなかったので、わくわくしながら実習室に向かいました。




粘土で作品を作り焼いて、また色を塗って焼いて、作品を完成する作業を子ども達はしていました。





テーマは、「古代文明」。この粘土工作の最終的な目標は「カエル」。先生の説明では、「まずはボールを作って中をくりぬいて焼く。そして、鳥を作って中をくりぬいて作って焼く。最後にカエルを作って中をくりぬいて焼くというステップを踏んで勉強します」。




f0037258_18501850.jpg






写真では、黄色がボール、青が鳥、白がカエル。奥の茶色が色を塗ったカエル。




5年生はエポック授業で、古い順に、インド文明、ペルシャ文明、バビロン文明、エジプト文明という古代文明の勉強して、この工作に挑んでいるそうです。



f0037258_1926920.jpg



粘土に塗る色は、子供向けの粘土用のGlasurfarbe(エナメルカラー)を使っています。焼く前の色と焼いた後の色に違いがあるため、子ども達は焼いた後の色を考えながら塗っているとか。




焼き釜が工作室の横にあり、本格的な実習にびっくりです。まるで焼き工房の世界ですから!!




先生はおっしゃいます。「私たちは職人を育てているわけではありません。あくまでも授業の一貫としてやっています」





焼き釜室を真ん中に2つ工作室があって、隣りの工作室では、11年生(17歳から18歳)が木の彫像(Holzskulptur)を作る作業をしていました。少し見学させてもらったのですが、真剣に彫刻を彫ってみんな集中してやっていたので感心しました。






また5年生の工作室に戻り、先生はシュタイナー学校の工作の本を見せながら説明されます。





「植物の成長は、種が蒔かれ、発芽して、葉が出て、成長し、蕾が膨らみ、花が咲き、また枯れて、土に戻ります。これらの変化はゲーテのメタモルフォーゼであり、ルドルフ・シュタイナーは人間も同じ変化を遂げると考えました」






5年生はモデル(見本)があって創作活動を行いますが、10年生から自由な創作活動が可能になるそうです。




先生は言います。「固定概念を与えることは創作の邪魔になります。特に年齢が低ければ低いほど、細かに段階を分けて説明する必要があります。例えば、今からカゴを作りますよ。丸を作りますよ。中を押しますよ。外を押しますよ。最初から人間を作りますよと言ってしまうと、難しすぎてできないということになってしまいかねないので、部分的に少しずつ作るために、先生は小出しに説明をしなければならないのです」





なるほどなあ~っと感心してしまいました。年齢に応じて説明方法を変える必要があるということなんですよね。





11時15分、後片付けが始まりました。先生は言います。「後片付けは作業と同じくらい重要なんです。子どもによっては片付けをしたくない子どももいるので、ちゃんと一人ひとりが後片付けができるように先生は導かなければなりません。後片付けに時間がかかります」





最後に先生がおっしゃったことが印象的でした。それは、「枠組みを作ってあげて、あとは子どもの自由に任せるのです」



f0037258_192545100.jpg





● 3時限目 音楽 12年生 18歳から19歳 (12時5分から12時40分)




シュタイナー学校の生徒は、アビトゥーア(大学入学資格)を受ける前に、1~2年の準備期間が必要です。




そして、アビトゥーアに合格するためには、通常4教科に対して、8教科に合格しなければなりません。その中の一つの科目が音楽なのです。





先生は最初に音楽の試験勉強の心構えをおっしゃっていました。





「自分はできる、自分は賢いと思って、挑戦するつもりで、試験に挑みなさい」




音楽理論の勉強で、テーマは「インターバル(音程)」。Prime(プリーメ/1度)、Sekunde(ゼクンデ/2度)、Terz(テルツ/3度)、Quarte(クアルテ/4度)、Quinte(クインテ/5度)、Sexte(ゼクステ/6度)、Septime(ゼプティーメ/7度)、Oktave(オクターベ/8度)。





今日のお題は「ゼクンデ」だったみたいで、大きいゼクンデは全音で、小さいゼクンデは半音という説明を先生がなさっていました。私は音楽専門ではないので、正直「なんのこっちゃ」だったのですが、お客さまがよく理解してくださったので安心しました。




12時20分、「Tonight」の歌の練習が始まりました。男性が12名、女性が6名。女性はソプラノとアルトに分かれ、男性は全員バスでした。みんな頑張って歌ってました。





● 4時限目 フランス語 5年制 (12時45分から13時30分)





フランス人の先生がフランス語を教えられているので発音がとってもきれいで耳に心地よく残ります。





まずは人称代名詞を勉強。そして、宿題のチェック。お題は「好きな食べものは何?」




先生は私たちを見て、「僕の好きな食べ物は寿司」という文章を作ってくださいました。




その後、子ども達から、「ケバブ」、「チーズシュペッツエレ」、「スパゲッティカルボナーラ」という声があり、みんなの好きなものがわかりました。





ドイツ語で説明しながらも、フランス語をしっかり教えられている先生の姿に感動しました。






その後、お客様と私はオイリュトミーの伴奏をされているH先生とカフェテリアでお会いして、昼食を取りながら楽しく歓談させて頂く機会を持つことができました(→ H先生、アレンジしてくださり、またお時間も取ってくださり、本当にありがとうございました!)。





一学年1クラスで、子どもの人数は38名まで。エポック授業を1クラス全員で受け、語学等の授業は1クラスが2つに分かれ、実習は1クラスが3つに分かれるそうです。





今回の視察にて、シュタイナー学校をまた一歩深く学ぶことができたので、私は心から嬉しく思っています。





学校からの帰り道はバスではなくて徒歩で駅に向かいました。




シュタイナー幼稚園の向かいにある湖がキラキラして私たちに挨拶してくれました♪




f0037258_19361875.jpg





ここでちょっとした感動話を。工作の時間に、クラスの一人の女の子から、幼稚園で仲良しだった日本人の女の子のお友達が、日本のどこに住んでいるかわからず安否がまったくわからないので泣きながら心配と言われ、インターネットで検索して問合せした結果、お友達の女の子は地震があったとき
福島にいたのですが、現在広島にいて無事ということがわかりました。ドイツ人の女の子の思いがお友達の日本人の女の子に通じたような気がしています。

このように日本人だけではなくて、ドイツ人も他の国の人もみんな、今日本のことを心配しています。その思いが通じて、これ以上の被害を発生させない原動力になればと心から願っています。
[PR]
by midorimartin | 2011-03-17 19:38 | シュタイナー教育